仕事の段取り力を高める方法
仕事をしていると、なかなか業務が終わらない、いつも残業ばかりでプライベートの時間を確保できないといった悩みが生まれることがありますよね。
また、それによって仕事が遅いという烙印を押されて、能力が無い人という目で見られてしまいかねません。
では、どのようにすれば素早く仕事を進めることができるのでしょうか?
そのヒントは、段取りよく仕事を進めて効率的な時間の使い方を心がけることにあります。
本記事では、この段取り力を高めるための方法について解説していきます。
目次
段取り力以前に仕事を覚えることが大前提!
段取り力を高める以前に新しい仕事や新しい職場ができたら、仕事を覚えることを最優先にしてください。
というのも、仕事の全体像を覚えて「理解」していないうちは、どれだけ段取り力を高めようとしても、何から手をつけたらいいかわからなくなってしまうからです。
仕事を覚えて、理解している状態を確認するには、次の項目をチェックしてみてください。
- 仕事のやり方
- 仕事の納期・担当者・関係者
- 今の仕事とどの仕事がつながっているか
- 今の仕事の目的
たとえば、A社への新規営業という仕事があったとすると、次のように分解できます。
- A社の営業担当とつながり新規製品を売り込む
- ◯月◯日まで・担当者:あなた・関係者:Bさん
- 契約書作成業務や発注業務、アフターフォロー
- 自社の売上アップ
営業と一口にいっても、ただ売り込みをするだけでなく、関係値作りやその後の契約書作成までが一気通貫でつながっています。
最終的には自社の売上アップが目的であるということまで、理解できていたら仕事の全体像はだいたいわかっていると判断していいでしょう。
段取り力とは何か?
はじめに、段取り力とはどんな能力のことでしょうか。
段取り力について知りたいという人は、仕事の効率が悪く思ったように作業が進まないことに悩んでいるのではないでしょうか?
段取り力とは、まさに「仕事を効率的・予定通りに進める力」です。
段取り八分という言葉があるように、段取りは仕事を効率よく進めるために一番大事なことと言えます。
そして段取りをさらに細かく見ると、以下のような過程に分けられます。
- ゴールを明確にする
- 逆算してタスクを細分化する
- タスクの優先順位を常に考える
- 予想外の出来事に対処する
- 仕事を振り返りさらなる効率化を考える
仕事を効率的かつ予定通りに進めるためには、こうした手順や思考が必要になります。
では段取り力を高めるために、具体的に何をすべきなのでしょうか?
段取り力を高める5つの方法
それでは、実際に段取り力を高める5つの方法を確認していきましょう。
具体的な方法は次の5つです。
- 一日のはじめに何もしない10分を作る
- 取り組む仕事のゴールを明確に思い描いている
- 物事を逆算して考えている
- 目の前の仕事に集中しすぎない
- 業務をできるだけテンプレート化する
それぞれ解説していきます。
一日のはじめに何もしない10分を作る
仕事を段取りよく進めるための最大のカギは一日のはじまりにあります。
一日のはじまりに質の高い10分間を過ごすことができれば、それだけでその日の仕事はほぼすべてうまくいくといっても過言ではありません。
段取りはよく料理に例えられますが、料理をする時もはじめに何をどのような順番で行うかを先に計画立ててからスタートしますよね。
この計画立てが失敗してしまうと、料理を煮込み過ぎてしまったり、二度手間になったりとうまく料理を進められません。
仕事も同じで、業務時間と同時にいきなり業務に入るのではなく、10分だけでいいので手を止めて、一日の計画を綿密に立てる時間を設けることが大切なのです。
取り組む仕事のゴールを明確に思い描いている
それでは、業務前の10分間でどのように考えていけばよいのでしょうか。
まず考えなければいけないのは、ゴールは何かという事です。
- その日に終わらせなければいけない仕事は何でしょうか?
- 業務時間が終わった時に、どのような状態にあることが最善でしょうか?
意外とこれを考えられている人は少ないのが実情です。
仕事ができる人はゴールを明確にして仕事を進めます。
その日に終わらせるべきことを明確に定義し、時には一日の始まりにメモをして目につく場所に貼っておき、一日の中でも区切りのタイミングで適宜、進捗を確認しています。
たったこれだけで、仕事の段取り力は向上します。
物事を逆算して考えている
続いて身につけるべきことは、物事をゴールから逆算して考える思考術です。
段取りよく仕事を進められる人は、ゴールから引き算でやるべきことを決めていきます。
つまり、業務時間までに特定の業務を終わらせようと思ったら、
- 何時までにどの仕事を終わらせていなければいけないのかを考え
- 業務の終わりから始まりに向けてタイムスケジュールを埋めていく
時には、どう考えても仕事が終わらないという事もあるでしょう。
そのような時はあらかじめ同僚や部下に仕事を依頼しておき、仕事が間に合わなかったという事態を防いでいるのです。
これが、段取りが良い仕事です。
とくに役職が上がっていくとこの段取り力は必須スキルであり、段取り力の向上は、マネジメント力の向上につながるとも言えます。
そして、この考え方は毎日の10分間を設けることで少しずつ身についていきます。
会社によっては朝一で日報を上司に提出する場合もあるかと思いますが、
これは段取り力を非常に向上させる取り組みの一つなので、しっかりと考えて作成しましょう。
目の前の仕事に集中しすぎない
朝の10分間でその日の計画を立てた後は実際に手を動かしていきますが、その過程でも段取りを良くする取り組みがあります。
それは、目の前の仕事に集中しすぎないということです。
目の前の仕事に集中しすぎると、次のようなデメリットがあります。
- 仕事の優先順位を間違える可能性がある
- 集中しすぎて脳疲労が蓄積する
これらを避けるために、定期的に時計を見たり、顔を上げて周囲の様子を確認したりして
適度に気持ちをリラックスさせつつ、随時仕事の優先順位をチェックしましょう。
業務をできるだけテンプレート化する
最後に紹介するのは、各業務をテンプレート化することで段取り力を向上させる取り組みです。
これは、効率的に仕事を進めていく取り組みともいえるかもしれません。
段取りよく仕事を進めていくためには個々の業務スピードをあげていくことも欠かせませんが、単純な手の動きや思考力を鍛えるだけではいずれ限界が訪れます。
そこで活躍するのが、業務のテンプレート化です。
たとえば、次のようなものが該当します。
- 定型の数値入力をAccessやエクセルのマクロを使って時短
- Googleドキュメントを使っていちいちWordファイルをメールで投げない
- アンケート業務をGoogleサービスを使ってネット上で行う
このように定型業務をどんどんテンプレート化し、どんどん効率化していきましょう。
大切なことはどのように考え、取り組めば段取りよく仕事を進められるのかを考え・実行し、そしてテンプレート化して業務を短縮していくことです。
これができれば、今まで以上にスムーズに仕事を進められるようになりますよ。
段取り力が足らなかったことで起きた失敗談
ここまで段取り力を高めるための方法をお伝えしてきましたが、段取り力が足らなかったことで起きた失敗談を紹介します。
あるお客様の話ですが、次のような弱点がありました。
- 仕事の優先順位がわかっていない
- 時間配分がわからず、夜遅くまで仕事をしてしまう
このように段取り力が弱い人の典型例ともいえる特徴を持っていました。
頑張っているつもりではあるのですが、優先順位を付けられないことから、どんどん仕事が積み重なり、結果自宅でサービス残業の日々…
これは良くある事例かもしれません。
業務量が圧倒的に多い場合を除いて、他の人が残業1時間程度で帰宅しているのに、サービス残業をしてしまっていたら、貴重な自分の時間を消費してしまいます。
もし、あなたがそのような状態に陥っているのであれば、まずはその状態を改善するために、納期を確認して優先順位を付けるところからスタートしてみましょう。
段取り力が高い人の5つの特徴
先ほどは段取り力が低いために起こった失敗談を紹介しましたが、逆に段取り力が高い人はどのような特徴を持っているのでしょうか。
具体的にお伝えすると次のとおりです。
- 仕事の全体像が見えている
- 仕事全体の工数が確認できている
- 自分一人の力では何もできないという自覚がある
- 仕事と作業を明確に分けている
- 計画の修正案まで考えている
それぞれ解説します。
仕事の全体像が見えている
段取り力が高い人の特徴の一つ目は仕事の全体像が見えている点です。
仕事の全体像というと、冒頭部分でもお伝えしたように仕事のやり方や納期などのすべての側面です。
これらの全体像が見えてはじめて、段取り力が発揮されます。
仕事全体の工数が確認できている
仕事の全体像が見えていると、各仕事でどれだけの時間がかかるのかもわかってきます。
たとえば、仕事Aは全力で行って10日間だから、他の仕事と並行したら30日はかかるだろうと工数を見積もれるのが段取り力が高い人の特徴です。
仕事の工数を見積もることができれば、どのようなスケジュールや人員で取り組むべきなのか逆算ができるようになり、仕事が効率的になります。
自分一人の力では何もできないという自覚がある
仕事の全体像が見え、工数を逆算し、スケジュールにまで落とし込むとあとは人員を使って一緒に仕事をしていきます。
もしここで、何もかもを一人で背負ってしまうと小さな仕事ならできますが、大きな仕事になるとできなくなるでしょう。
ですから、大きな仕事を段取り良く行っている方は、そもそも自分一人ではできないという自覚があるものです。
このような考えを持つからこそ、あらかじめ適切な人員を適切な時期に投入できるように準備していきます。
仕事と作業を明確に分けている
またここまで仕事という言葉を使ってきましたが、段取りが良い人ほど仕事と作業は明確に分けて考えています。
具体的な違いを伝えると次のとおりです。
- 仕事:何も考えずに作業できるまでのロードマップを作ること
- 作業:手を動かして形を作るもの
このように仕事と作業は明確に違うものです。
頭の使い方は仕事(段取り)8割、作業2割と考えておくといいでしょう。
昔の言葉で「段取り8分、仕事2分」という言葉がありますが、現代的に言い換えると仕事が作業に置き換わります。
計画の修正案まで考えている
最後に段取り力が高い人は、計画は絵に描いた餅であり常に修正すべきものであるといった考えを持っています。
そのため、仕事を行う上で必ず失敗を意識しており、もし失敗したらどういった修正を行えば納期に間に合うかを知っているものです。
こうすれば、不測の事態が起こったとしても柔軟に対応でき焦りもでません。
その結果、いつもと変わらず高い価値を生み出す仕事ができるようになります。
段取り力を高めるためにおすすめのグッズ3選
ここまで、段取り力の高め方や段取り力が高い人が意識していることを紹介してきました。
でも仕事の段取りに悩む人の中には「すぐに実践できそうにない…」とお悩みの方もいると思います。
そこで本項では、段取り力を高めるために取り入れやすいグッズを3つおすすめします。
- スケジュール帳(ビジネス手帳)
- ふせん
- 収納用品
スケジュール帳(ビジネス手帳)
段取り力を高めるために、仕事の全体像やゴールをつかむこと・物事を逆算して考えることの重要性は既にお伝えしました。
そのために活用できるのがスケジュール帳(ビジネス手帳)です。
タスクを細分化してスケジュール帳に書き込んでいくことで
- それぞれの作業や予定にどれくらい要するのか
- どのような手順でやるべきか
- 誰の作業が並行して進んでいるのか
などが視覚的に分かりやすくなります。
ビジネスに特化したスケジュール帳は、月間予定だけでなく週間予定や日割りの予定が書き込めるようになっていたり年間目標計画のページがあったりするので、短期スパン・長期スパンそれぞれで物事を把握するのに役立ちます。
ふせん
デジタルな仕事が多くても、アナログな付箋を日常的に使っている人は多いのではないでしょうか。
ふせんもスケジュール帳と同じく、情報や予定を視覚化するのに役立ちます。
- タスクや優先順位ごとに色分けしたふせんを使う
- ブレインストーミングでアイデアやイメージを整理する
といった使い方ができます。
またふせんは貼ったりはがしたりできるので、予定が変わったときには順番を変えられますし、予定が終わればはがして見やすく整理できますよ。
収納用品
収納用品を使うのも効率的な仕事をするうえでおすすめです。
そもそも段取りが苦手な人は、片付けが苦手な人が多い傾向にあります。
机の上が散らかっていると注意力もそがれ、タスクや書類が埋もれてしまうために優先順位を見誤る・不注意なミスをするといった失敗につながります。
段取りよく効率的に仕事をするには、物理的・心理的に情報やタスクを整理することが欠かせません。
クリアファイルや収納BOXを活用して書類やアイテムを整理すれば、机の上がすっきり整い作業場をより有効活用できます。
100円ショップでも色々揃うので、職場や自宅の机の上が散らかっているな…と思った人は整理整頓から始めてみてはどうでしょうか。
段取り力はビジネスにおける大前提!
今回の記事では段取り力をあげる方法をお伝えしてきましたが、上記の特徴を持つ方は高い地位にいることが多いといっても過言ではないでしょう。
仕事での出世やビジネスでの成功を収めたいなら、まずは段取り力を高めていきましょう。
もし、段取り力を高めるために、時間の使い方をどんどん効率化したいという方がいたら次の記事を参考にしてみてください。