キャリアは仕事だけじゃない!どんなキャリアを積んで生きたい?

 

キャリアプランニング、キャリアデザイン、キャリアパス……
最近はキャリアという言葉の使われ方が多彩になっています。

社会が成熟すると人の選択肢が増え、いろいろな生き方が可能になります。

仕事のキャリア、 副業・兼業のキャリア、 主婦や育児経験のキャリア、趣味のキャリア、起業・独立のキャリア、 マルティプルキャリア、etc..本当に様々です。

キャリアについて考えることは自分がどんな生き方をしたいか、「どんな人間でありたいか」ということ、とイコールです。

あなたは、どんなキャリアを積んで生きたいですか?

キャリアとは?

キャリアとは一般には仕事上の経歴または職業経験のことをいいます。

「営業としてのキャリアが5年」「マーケティングのキャリアを積みたい」というふうに使います。

でも、実はキャリアとは広い意味では人生全般の経歴をさします。
ですので「キャリアを考える」=「人生を考える」なのです。

「仕事」は人生の一部でしかない

もちろん、人生において大切なのは仕事だけではありません。

もし誰かに「あなたの人生において一番大切なのは何ですか?」と聞かれたなら、多くの人は、家族、恋人など愛する人との関係を思い浮かべると思います。

仕事は1日の大半を費やすことであり重要なことですが、あくまで人生の一部でしかありません。

例えば、これまで自分がもっとも達成感を得た仕事を思い出してみてください。

おそらくは仕事の内容よりも上司や同僚から認められたり、誰かに喜ばれたりしたことが強い記憶として残っていないでしょうか?

仕事とは、人が社会の中で自分の居場所をつくり生きていくための「手段」であり、仕事での充足感の根底にあるものは人からの承認、感謝、それによる喜びなのです。

違いは?広義的な「キャリア」と狭義的な「キャリア」

キャリアの語源は「レイルロール=車輪の跡」という意味です。

もともとの意味も仕事だけではなく、学生時代、仕事、家庭生活、趣味やボランティア活動などその人が歩んできた軌跡そのもののことです。

狭義的にはキャリア=職業上の経歴、職業、職務、職位、履歴、進路などを指します。

一方、キャリアデザインなどという表現で広義的に定義されるときは、仕事だけでなく人生すべてにおける選択や経験、生き方そのものを指し、文脈によって使い分けられています。

なぜ、キャリアを考えるのか?

人がキャリアを真剣に考えるのはゴールを目指してキャリアを積んでいくことが人生の充実感に大きく影響するからです。

自分の望む人生を送りたいと思うなら、目標を決めてキャリアパスを描いてみましょう。

キャリアパスとは

キャリアパスとは、キャリア上の目標までの道筋を指します。

例えば、企業内なら、現場で5年経験を積み、係長職を5年経験して課長に昇進という感じで、企業がある程度キャリアパスを明示しているケースが多いと言えます。

近年は人々の価値観が多様化しているため、企業でも「グローバル社員」「国内総合職コース」「地域限定社員」などさまざまなキャリアパスを用意しています。
一方、個人には個人のキャリアパスがあります。

例えば3年間は今の会社で勤めて、2年間留学しMBAを学び、帰国後は外資系企業に就職という感じで、自分で道筋を描いているような人も多いでしょう。

 キャリアパスのゴールは何?

自分でキャリアパスを描くときはゴール設定が大事です。

もちろん、自分の適性がわからず、やりたいこともないという人もいると思いますが、そのような場合でもできるだけ、今の自分を起点に思い描けるゴールを設定してみましょう。

・なんとなく将来は独立したい
・大学教授になるため大学院にいきたい
・30歳までに結婚してその後はフリーランスとして働きたい
・海外でボランティア活動をしたい

など、目標は短期で設定しても、長期でもどちらでもOKです。
世の中にはいろいろなロール・モデルがあります。

その中で一番憧れている人のエッセンスを取り入れてもいいかもしれません。

おそらく憧れている人は、あなたが心の中で思っている「なりたい姿」でもあるはずです。

ワークライフ・バランス

日本でもようやくワークライフ・バランスの重要さが認められるようになってきました。

人生においては、仕事も、家庭生活も、地域社会との関わりも自分の趣味の世界も等しく重要なことは言うまでもありません。

たとえ、本業の仕事ではなくても、一人の人間が熱心に取り組んだことは相互に作用してその人の幅を広げます。

趣味の世界、子育てや介護の経験、ボランティア活動などにより人間力や教養も増し、広い意味でのキャリア形成につながるでしょう。

内的・外的キャリアについて

エドガー・シャインという米国の心理学者が、キャリアには外的キャリアと内的キャリアがあると指摘しています。

充実したキャリアを積むためには、この二つの考え方を理解しておきましょう。

外的キャリア「Work」とは

どんな仕事をしているのか、その仕事の名前や内容。

外的キャリアとは、どのような会社に勤めているか、職種やポジションは何かなど、社会がその人を見たときのキャリアです。

簡単に言えば履歴書に書ける内容です。

日本では、大手企業で働いている、官公庁で働いている、ベンチャー企業で働いているなどの違いで、その人の社会的評価がある程度決まってしまう傾向があります。

もちろん優れた外的キャリアは、その人の能力や努力のわかりやすい指標です。

内的キャリア「Job」とは

働きがい・やりがい・生きがい。

一方、外からの見られ方ではなく、個人の価値観による指標が内的キャリアです。
やりがい、生きがい、仕事への使命感など本人にしかわからない指標です。

「外的キャリアが他人軸、内的キャリアが自分軸」と言えばわかりやすいかもしれません。

例えば女性の場合、バリバリ働いていたにもかかわらず、あっさり仕事を退職し家庭中心の生活に切り替えたり、フリーランスとして趣味のヨガインストラクターになったりなど周囲の人から見ると「もったいない」と言われる選択をする人も少なくありません。

これも、本人が内的キャリアを優先した例だと言えるでしょう。

また、人生においては自分の希望どおりに外的キャリアを積み上げることができない時期も出てきます。

そのようなときに、内的キャリアを肯定的にすることで、結果的に外的キャリアにもプラスになります。

【 新しいキャリアの見つけ方】 内的キャリアの自覚が重要!

一般に、内的キャリアのほうが外的キャリアよりも本人の満足度に大きく影響します。

そして、これからの時代は、ますます内的キャリアの在り方が大切になると言えます。

終身雇用はとうに崩壊しています。
AIが登場し現在の仕事の50%が必要なくなるという説も出ています。
変化のスピードがあまりに速く、現在は「勝ち組」と言われている職業すら将来を楽観視はできません。

予想もしない変化が起きることもあるでしょう。
だからこそ、どんなときにもその時点で最良の選択ができるように「自分が何に価値をおいているか」を理解しておくことが大切なのです。

仮に失業したとしても、自分の価値観の優先順位がわかっていれば転職活動をしながら新しい学びに力を入れたり、副業に力を入れたり必要以上に落ち込まずキャリアパスを修正しながら進むことができるでしょう。

内的キャリアの見つけ方・実例7選

転職

内的キャリアを見つけるには転職がもっとも一般的な選択です。
世の中ですぐ天職に巡り合える人はそう多くありません。

また、最初の就職では「親への恩返し」という気持ちから世間体に沿った判断をするケースもよくあります。

ただし、一度働いてみると自分の適性や価値観がある程度わかります。
外資系を選ぶ、公務員試験を受ける、ベンチャー企業を選ぶ、あるいは、子育てに専念するためにパート勤務や派遣社員を選ぶなど選択肢は様々です。

自分の内的キャリアに沿った選択をすれば、そのときの自分に合う仕事、自分と価値観の近い人たちに出会える可能性が高くなるでしょう。

副業

副業を解禁する企業が増えています。

働き方改革が推進されるなか、厚生労働省のモデル就業規則が変わったことが大きな理由です。

これから大手企業を中心に、副業はますます自由になっていくでしょう。
企業が副業を推進する背景には社内でのイノベーションに結び付けたいという期待があります。

副業は本業に活かせるというお墨付きを得ているようなものであり、会社員にとっては恵まれた時代の到来です。

ぜひチャレンジしましょう。
もちろん、副業は個人のいろいろな目的にも活用できます。

・転職前にトライアル勤務
・起業へチャレンジ
・趣味の分野の才能を開花
・単純に年収アップ

副業は、内的キャリアも外的キャリアも同時に積み上げていける方法だと言えるでしょう。

起業

最近は女性起業家がたくさん活躍しています。

女性起業家の特徴として、あまり規模拡大を追わず、それこそ内的キャリアで判断したような事業を行う点があります。

・保護犬・保護猫の支援事業
・ベビーシッター事業
・発展途上国で雇用を創り出す事業

など、自分が困った経験があること、あるいは、ほっておけないことを事業にしています。

内的キャリアに忠実な起業は、たとえ周りから忙しくて大変に見えたとしても、本人は大きな満足感を感じることができるでしょう。

ボランティア活動(地域・福祉・PTAなど)


ボランティア活動は、収入にはならなくても「感謝される喜び」があります。

PTA活動や地域の福祉活動もそうですが、誰かの役に立ったと思えるときの嬉しさはひとしおです。

近年は「プロボノ」という本業で得たスキルや知識を活かして社会貢献するボランティア活動もあります。

例えば宇宙が好きでも自分の会社では事業に携われないのでプロボノとして参画するなど、趣味や小さいころの夢をボランティア活動で充足させることができます。

スキルを活かしたボランティアは満足感が高いだけでなく、外的キャリアにも直接的にプラスになると言えます。

趣味

AIが登場する時代になると「好きな仕事でなければ勝ち残れない」とさえ言われます。

人は好きなこと・興味があることに対してはモチベーションが尽きず、仕事とプライベートという区切りを意識せず楽しみながらそのことを考えるからです。

好きという気持ちは最強のパワーです。
もちろん「何となく好き」でも十分です。

趣味を存分に楽しんでいくことが創造性を育み、精神を豊かにします。
趣味についてSNSなどで発信するなど人脈を構築していけば、外的キャリアにつながることもあるでしょう。

 海外旅行

海外旅行で、世界の国々のいろいろな価値観、美しい土地とそこで育まれた文化、そして、その土地の人々との交流から自然に「ダイバーシティ」の感覚を身につけることができます。

海外旅行の経験は「その人」の価値観・人間性を研ぎすまし「自分が何に価値をおいているか」を見つめ直したり、改めて気づきや発見があるかもしれません。

また最近は、海外旅行をしながら現地の情報をblogに記載する仕事などもあったりします。
海外での体験が、今後の外的・内的キャリアの両方につながりやすくなっている時代だと言えるでしょう。

家事・育児・介護(家族関係)

30~40代の女性には子育てや介護を優先して、仕事上のキャリアをいったん中断する人も珍しくありません。

「子育ての経験もいずれ仕事の糧になる」「親と過す時間は、もうわずかしかない」 など人生を長い目でとらえて判断しています。

子育てが落ち着いたら現場に復帰する、起業するなどの目標を描いている人もいれば、とにかく自分の理想とする母親でありたいという人もいます。

家族に向き合う時間を「肯定的に捉えること」は人生において重要です。

子育てや介護を経験することで人間力が増し、内的キャリアにも良い影響を与えていくでしょう。

まとめ

スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での有名なスピーチに「点と点が、やがてつながる」という言葉があります。

自分の興味があるものに熱中していると、あるタイミングで点がすべて一本の線につながるという意味です。

今のあなたが好きなことや「大事にしたいと思うこと」を大切にてください。
本業以外にもいろいろなキャリアがあります。

「好き」や「自分にとって価値がある」という基準で選択して、経験していくことのひとつ、ひとつが あなたの強みとなります。

内的キャリアを積み上げ成長していくことで将来、自分でビジネスを興せる自信も出てくるはずです。

今の会社を辞めるべきか、考え直したほうがいいか、「自分が幸せで、納得できる人生のため」に後悔しない決断をしたい。
ここでは、よくある退職したいと思う理由・悩みについてご紹介していきます。

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