「差別化戦略」は欠かせない!今からビジネスを始める人向けまとめ記事

 

これからビジネスを始める場合には「差別化」は欠かせません。

差別化のないビジネスモデルは競合他社とのサービスに埋もれてしまいます。

しかし、そうは言ってもなかなか差別化が図れず悩んでいる人も多いです。

そこで、この記事では差別化戦略について詳しく解説します。

「差別化」とは?

そもそも「差別化」とは一体何なのでしょうか?

差別化に関するマーケティング用語としてUSPがあります。

USPとはUnique Selling Propositionの略で「独自の売りの提案」のことを指します。

このUSPとは一体、何なのか歴史から見ていきましょう。

1940年代に成功した広告キャンペーンの調査で共通パターンが見つかりました。

その共通パターンは

「広告は顧客への提案でなければならない」
「その提案は独自のものであること」
「提案は強力であること」

の3つです。

つまり、競合ができない強力な提案が大切だということが分かったのです。

裏返すと、差別化がしっかりと図れているビジネスモデルは広告を打ちやすいということも意味します。

なぜ、ビジネスで「差別化を図る」ことが必要なのか?

ではなぜ、ビジネスで「差別化」を図ることが大切なのでしょうか?

一言で言うと、差別化を図らなければ多くの競合他社の製品・サービスに埋もれてしまうからです。

競合と同じ商品サービスを売っている場合、顧客はあなたから買わなければならない理由がありません。

そうなると価格勝負に陥ってしまうでしょう。

価格勝負に陥った場合、資金や人的リソース、既に確立されたブランド力でスケールメリットのある大企業が有利となってしまいます。

他には真似できない・真似しないことで「差別化」を図れば顧客はあなたからしか買えなくなります。

つまり「差別化」は競合争いを避ける手法なのです。

差別化戦略について、わかりやすく言うならば?

差別化戦略を分かりやすく言うと「違い」を追求することです。

ビジネスの初心者は、つい差別化を「他社より優れたもの」と考えがちです。

しかし、他と比べる「優劣」ではなく、誰もが持っている「違い」が「強み」となり結果「差別化」を産むものと考えましょう。

これは、人間誰でも同じことが言えるのではないでしょうか?

人それぞれ個性がある中で優劣を競うのではなく「違い」を追求することが、その人の「強み」になります。

例えば、お笑い芸人は自虐ネタで笑いを取ることもあります。

弱点に見えることも、視点を変えて追求することで個性や強みに変えることもできるのです。

あなたのビジネスが、他と「何がどう違うのか」じっくり考えてみましょう。

差別化戦略に成功した4社

これから差別化戦略を立てようと思っても具体的にどのように考えれば良いか分からないという人も多いはずです。

そのような時は、実際の事例を参考にすることをおすすめします。

成功している企業や製品例を学べは、自分がどのような視点で差別化を測れば良いのか見えてくるでしょう。

ここではその事例として有名な企業4社と製品による差別化といえば分かりやすい「家電」を例に解説しますので、合わせて参考にしてください。

アップル

アップルはiMacだけでなく、スマートフォンの先駆けとしても一躍有名となりました。

スマートフォンが出始めた頃は、いわゆるガラケーの時代でした。

そのため、電話・メールを行うだけのガラケーから手元で何でもできてしまうスマホが登場した際はとてもインパクトがあり、市場に革命・イノベーションが起きました。

さらに、他社との圧倒的な違い・強みはiPhoneの「デザイン性」の美しさです。

既存のスマホには無かったシンプルな作りと操作、そして審美的観点から、ものづくりの先駆けと言えるでしょう。

しかし、よく考えてみれば技術的な飛躍が特別あったわけではありません。

従来技術のインターネットやOS、電話機能が一体化しただけだったのです。

しかし、誰もどこも提案していなかった審美的な観点による製品作りで高額にもかかわらず、iPhoneは市場で断トツに地位を確立しました。

スターバックス

スターバックスは「贅沢な場所・空間」といった価値の提供という差別化戦略をとっています。

例えば、ドトールコーヒーの場合1杯224円~ですが、スターバックスは290円~と割高です。

にもかかわらず多くの人が並んでもスターバックスコーヒーを飲みに行くのは「差別化」によるところです。

スターバックスは、単なるコーヒーを提供しているわけではありません。

ドトールコーヒーの客層のように「安価」「手軽さ」といった多忙なサラリーマンは客層ターゲットから外し、ゆっくりとコーヒーを味わう客層をターゲットとしています。

そこでスターバックスはコーヒーの味も追求しているため、店員はバリスタからスタートし、バリスタトレーナー、シフトスーパーアドバイザーとキャリアップしていく教育制度があります。

エプロンの色も緑と黒に分けられ、ブラックエプロンはコーヒーマスター試験に合格した、いわば、プロの「職人」しか着用できない社内制度があります。

高額にもかかわらず店内にコーヒーの香りが立ちこめ、ゆっくりとコーヒーを味わえる「贅沢な空間」の提供が他社との差別化ポイントなのです。

任天堂

任天堂の差別化戦略は「新しい付加価値を提供する」ところです。

例えば、マリオやゼルダ、ピカチュウなど多くのキャラクターが誕生しています。

これらキャラクターを使ったゲームのシリーズ化やグッズ、タイアップなどの戦略を行い多くの世代・国境を越えた根強いファン層を獲得しています。

また、ファミコンでブームを作り、ゲームボーイで携帯化してから、次々にゲーム機を誕生させてきました。

体感型の任天堂Wiiや、タッチパネル式のニンテンドウDSなど、時代・ユーザーのニーズに合った製品が誕生し続けています。

ゲームとは人間が生きるために必須でないものゆえ、ユーザーにとって喜び・驚きがないと見向きもされない製品です。

また、ユーザーにとって分かりやすく、快適な使い心地でないと売れないでしょう。

そしてゲーム業界は、技術・性能・価格といったハード面だけでなく、ゲームコンテンツの面白さ、ルール、仕組みといった「ソフト面」の出来が求められる世界です。

その中において任天堂は、新たなアイデアや未だかつてない斬新さ、付加価値を提供し続けられるのが強みといえます。

モスバーガー

モスバーガーの差別化戦略は「美味しさ」を追求しているところです。

モスバーガーはハンバーガーショップの代表格であるマクドナルドよりも値段設定が割高となっていますが、一方で日本人好みの商品ラインナップとなっています。

例えばテリヤキチキンバーガーやモスライスバーガー、ロースカツバーガーなど定番メニューの中には和風メニューが多いです。

ハンバーガーにとって重要な役割を担うパティも「日本人好みの味」となっています。

「マクドナルドは「安価」「手軽さ」「遊び心」を使ったマーケティング戦略を使っている一方、モスバーガーは国産野菜を使った「安心・安全」なイメージを売りに、子連れのファミリー層やベジタリアン志向の女性向けを狙った「高価」「安心・安全」「フォーマル」なイメージのブランディング戦略を採用しています。

そのため、同じハンバーガーであってもマクドナルドのユーザー層とは異なるユーザー層に利用されています。

このことを「ポジショニング」ともいいます。

差別化戦略に成功した製品

 家電製品

現在は、家電製品の差別化として「高級志向」が話題となっています。

デザインはシンプルではあるものの、機能が優れているとして差別化を図った家電ベンチャーや国内外の新興メーカーが「高価格家電製品」を展開し台頭してきました。

それにより、大手が後を追いかけ、新たな市場が形成されました。

家電製品はIoTやAIなどと融合して差別化を図るケースや形態、特徴、品質、耐久性などで差別化を図るなどさまざまです。

例として「ルンバ」を生み出したiRobot社や、最近では米国で生まれたヘッドホンメーカーのBeats(ビーツ)社、cado(カドー)ブランドで空気清浄機などを展開するエクレア、国内ではアイリスオーヤマが挙げられます。

メーカー側は価格とのバランスに配慮することによって、ユーザー層を分けることもできますのでターゲティングしやすいのです。

「差別化を図る」ことのメリット・デメリットは?

差別化を図ることはビジネスで重要と紹介していますが、何も考えずに差別化を追求することはおすすめできません。

あらかじめ差別化を図ることのメリット・デメリットをしっかり把握しておく必要があります。

ここでは、それぞれの内容を具体的に見て行きましょう。

メリット

差別化を図ることのメリットは、競合争いを回避できることや固定客を獲得すること、息の長い商品サービスの提供ができることなどのメリットがあります。

先述の通り、差別化を図らなければ競合に埋もれてしまいますが他に真似できない商品サービスを提供すれば、そもそも競合争いをする必要がありません。

また、他にはない商品サービスということは、ユーザーに浮気されにくいため固定客化やファンの獲得につながります。

さらに、価格競争を回避することにより商品寿命を延ばすこともできますのでビジネスが成功しやすくなるでしょう。

デメリット

差別化を図る場合のデメリットは

・ニッチな市場になりやすいこと
・客層のキャパが小さくなりやすいこと
・最終的に誰からも支持を得られない場合があること

などがあげられます。

商品サービスの差別化を図った結果、ターゲットとなる市場が狭まってしまいニッチ産業になってしまうケースがあります。

ニッチ産業自体は悪くありませんが、意図していない場合には想定よりも市場規模が小さくなるケースがあります。

同様に、対象となる顧客が少なくなってしまうケースも考えられますので注意が必要です。

つまり、移り変わりの激しい時代の流れによっては消えてしまい、ニーズそのものが無くなってしまうケースもありますので常にアップデートをしていくことが重要になります。

「差別化」できない人はいない!「違い」を見つけて「強み」にするポイントとは?

差別化ポイントを考える時は、つい難しく考えてしまいがちですが肩肘を張る必要はありません。

差別化は誰にでもできます。

先述の通り、他社との優劣を考えてしまうと差別化は難しくなりますが「違い」を見つけて個性を伸ばすことができれば、結果「強み」となります。

これらを念頭に商品サービスやビジネスモデルの差別化を検討しましょう。

それでは、差別化する場合のポイントを具体的に紹介していきます。

自分の”当たり前”を疑う

差別化を洗い出す時には、自分の当たり前を疑いましょう。

差別化ポイントは意外にも、自分が当たり前と思っていること・当然のようにできることの中に見出しやすいのです。

逆に言うと、自分の当たり前を疑うことによって今まで無意識に気づかなかったことが見え、ビジネスのヒントになるかもしれません。

そうすれば、あなただけしかできないオリジナルな商品・サービスが作れるはずです。

自分の価値観・考え方も「強み」の一つ

一方で、自分の価値観・考え方も強みの一つといえるでしょう。

主観的な内容はオリジナル性が高いため差別化ポイントに繋がりやすいです。

既存のビジネスモデルや商品・サービスに対して市場と自分の価値観との違いをあぶりだしてみましょう。

例えば、あなたが始めようしているマーケットでの競合の口コミ・評判を調べて自分の価値観や考え方との違いを見つけられれば、しめたものです。

その差から新しい価値を作ることができるかもしれません。

その差から新しい価値が生まれ、他にはない差別化ポイントとなり得るかもしれません。

自分にあるもので勝負

自分の強みを考えていると、自分にないものが浮き彫りになるかもしれません。

他社の商品・サービスにはあるが、自分の商品・サービスには「ないもの」が気になるのです。

結果的に、他社に追随すべく自分にないものを補おうとする人が多いかと思います。

しかし、その方法はあまり賢明ではありません。

自分にないもので勝負するよりも、自分にあるもので勝負した方が建設的です。

人間は短所を補うことより、長所を伸ばす方が成長しやすいのです。

また短所も見方を変えれば長所に変わるということも含め自分にあるものからどのような価値を生み出せることができるか』に専念しましょう。

過去を、どう受け入れて活かすかも「強み」になる

自分の過去を、どのように受け入れて、どう活かすかも「強み」となります。

あなたの過去には良いこと・悪いことのいずれもあるでしょう。

良いことを強みにするのは簡単かもしれませんが、悪いことやその原因は受け入れ難いものです。

しかし、悪いことも、ありのままを受け入れ乗り越え、今と未来に活かせば、それは立派なあなたの「強み」となることでしょう。

困難を乗り越えている人の方が強くなると言われる通り、そのような教訓を活かしている商品・サービスが強い差別化ポイントとなるはずです。

見つけた自分の「強み」が社会にどう役立つか真剣に考える

とはいえ見つけた自分の強みは、まだ、あなたの中での強みでしかありません。

それが、そのまま商品・サービスとしてビジネスにおいて必ずしも受け入れられるとは限りません。

そこで重要なポイントが「自分の強みが社会にどう役立つか」を考えることです。

ビジネスは社会に受け入れられて、お客様がいてこそ、初めて成立しますので社会にどう役立つかどうかが、とても重要なのです。

もし、「強み」が現段階で社会に役立たない場合は、どうすれば将来、社会に役立つのかを検証してみましょう。

どのように社会に役立てるか、どのように新しい価値を作り出すのか真剣に考えてみましょう。

今は役立たないと思うことも、視点を変えてみたり、時代の移り変わりによっては新しい価値やアイディアと結び付くことがあるかもしれません。

まとめ

これからビジネスを始める場合には「差別化」をしっかりと考えましょう。

差別化がなければ競合争いに巻き込まれ、気が付けば淘汰されてしまいます。

差別化がしっかりできているビジネスモデルは競合争いの必要がありません。

安定した顧客の獲得に繋がり、息の長いビジネスを成し得るのです。

差別化を図るためには、「違い」を見つけて「強み」にすることが大切です。

是非、今一度、過去から今、そして、未来につながっている「あなた自身」のことについての振り返り・棚卸しから始めてみましょう。

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