起業を成功させるには何が必要?知っておくべき3つの条件

 

勇気を振り絞って脱サラしたいけれど、
独立してから成功するのか不安でたまらないという人は多いことでしょう。
その不安は数字にも表れており、
国税庁の調査では設立10年後の存続率はたったの6.3%だと
いわれています。

このように低い成功確率の中で、
起業を成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか?

この記事では起業を成功させるために
最低限知っておきたい3つの条件について解説します。

起業前から起業後の時間の流れに沿って解説していますので
3つの条件を順番通りお読みいただければと思います。

条件1:起業の目的を明確にする

起業を成功させるためには、
起業前にどれだけ準備をしているかがカギとなります。
たくさんの独立者が、この準備を怠っているために
事業に失敗するというケースが多いので、準備は入念にしておかなければ
なりません。

ただ、少しシビアなことをいいますと、
起業の準備は、
成功のための必要条件というよりは成功のための最低条件といえます。

準備をしたからといって成功するとは限りませんが、
準備をしていなければ成功することは極端に難しくなるでしょう。

準備は高い山を築くために裾野を広げる作業だと思って、
しっかりと行うことが大切です。

では、具体的にはどのような準備をすれば良いのでしょうか?

起業の動機を理念にまとめよう

まずは自分なりの理念を作りましょう。

理念とは経営者の想いを具現化したもので、事業が存続する限り
永遠に続く普遍的な原則です。
この理念がないと、のちに事業がぶれてしまう可能性が上がりますので、

起業の動機を理念にまとめましょう。

そういうと、「理念なんて必要ない」という人が必ず出てくるのですが
理念がない事業は背骨のない人間と同じです。

理念が必要な理由を、サークル活動にたとえて説明しましょう。
たとえばあなたがサークルを立ち上げたとします。

特に目的もなく、ただ何となく運動をしたいためにスポーツサークルを
始めます。最初は数人の友人を誘って
一緒に色々なスポーツをしていたのですが、
ある時テニスが自分に向いているということに気付いたので、
テニスをするサークルにしたいと決めたとします。

ところが、他のメンバーは
「え?俺はいずれサッカーをすると思って入ったんだけど!」という人が
いたり「何でもいいけどテニスだけは嫌だ」
「球技以外のサークルじゃないと辞める」という具合に、
空中分解を起こしてしまいます。

最初から
「テニスを通じて大学生の健康のために運動をするサークル」という
理念があれば、共感した学生が集まったはずです。

このように、理念は人を雇う時も
どういう方針で事業を営むかも、
どんな顧客や仕入先とお付き合いするかも
事業全ての源泉となるものなので、しっかりと定めておく必要が
あります。

理念は利己的なものでは賛同者が現れないでしょうから、
あなたの動機を元に
社会貢献度の高いものを設定することがよいでしょう。

どういう方針で事業を営むのかを設定しよう

理念は普遍的なものですので、その事業を営む限り永続します。
たとえ経営者があなたから代替わりしたとしても、
理念は永久に続くものでなければなりません。
しかし、経営方針は時代の変化とともに更新していくべきものです。

たとえば、以前は「新聞広告により高い年齢層を集客する」という
方針だったのが、
今では「コンテンツマーケティングによる集客」と変えても良いでしょう。

普遍的な理念をしっかりと守っていれば、それに基づいて
作られる経営方針は時代のニーズに合わせて設定する必要があります。

市場調査でターゲットを選定しよう

理念や方針が決まったら、
今度はそれらに基づいてターゲットを選定します。

ターゲットとは、年齢層や性別、居住地域や好みなど
さまざまな側面から検討することができます。

たとえば男性をターゲットにした場合には男性に刺さるキャッチフレーズで
集客することとなりますし、
女性をターゲットにした場合には女性に刺さるキャッチフレーズが必要です。

若い人を対象にする場合には20代ならインスタグラムでの集客、
30代ならツイッター、40代ならフェイスブック、高齢者なら新聞広告など
集客ツールの使い分けも可能にしてくれます。

広い地域を対象にする場合はメディアへの積極的な露出が必要ですし
狭い地域を対象にする場合にはフリーペーパーを活用するなど、
ターゲット選定によって事業戦略は大きく変わります。

ターゲットを絞り込むために
あなたの業種がどんな市場なのか、しっかりと市場調査が必要です。

条件2:目的に向かうための方針を練る

条件1で決めたことが事業の目的に対する準備だとすれば、
条件2は目的に向かうための準備です。
目的に向かうためには、より具体的な方針を練る必要がありますので
こちらもしっかりと確認しておきましょう。

商品やサービスのコンセプトを決める

選定したターゲットに合わせて、
個別に商品やサービスのコンセプトを決めましょう。

ターゲットのニーズが多いのはどういう商品やサービスなのかということを
考えながら練ると、決めやすくなるかと思います。
要するに顧客の気持ちを徹底的に理解するように努めれば、
おのずと良い商品やサービスをプランニングできるはずですので
しっかりと顧客目線で考えましょう。

多くの人に知ってもらうための広報活動を行う

多くの事業主が飛ばしてしまいがちな大切なこととして
広報活動があります。

大抵の場合、商品やサービスが完成したら
すぐに広告を打つなどお金をかけて宣伝をしようとします。
しかし、宣伝をしてもほとんど効果はありません。
なぜなら知ってもらっていないからです。

顧客は知らないものにお金を払って買おうとしませんので、
まずは何度も顧客にあなたの事業や商品サービスを見せる必要があります。
その後で宣伝をして初めて効果が表れるのです。

広報はプレスリリースをメディアに送ったり、
SNSで紹介するなどの手法があります。

いずれもお金をかけずにできますので、ぜひ取り組んでみましょう。
新聞・テレビ・ラジオなどで紹介されたら、
それらを見たり聞いたりした人がSNSで口コミを作ってくれるという効果も
狙えますので、
広報は事業戦略の中にしっかりと入れておくことが大切です。

広く知られたらしっかり宣伝をする

ある程度広報ができたら今度は宣伝活動をしましょう。
たとえば東京のメディアで複数回紹介され、
認知度が上がって来たと感じたら東京の媒体に広告を打つと良いでしょう。
東京のメディアに紹介されたのに、千葉に広告を出しても意味がありません。

どこに広報と宣伝をするかというのも重要な要素ですので覚えておきましょう。

条件3:逆境の際に対処できる力を付ける

条件2までが準備段階とすると、条件3は実践段階に入ります。
準備が終わったら後は事業を進める以外に選択肢はありません。
自分で決めたこれまでの流れ通りに事業を進めましょう。

しかし、思惑通りに行かない逆境が必ずといっていいほど何度もやってきます。

その逆境を順境に変えることができるかが、事業成功の肝となります。
最後は逆境を順境に変えるために必要なことを紹介します。

逆境を順境に変えるメンタルを持つ

逆境を順境に変えるためには、乗り切るためのメンタルが必要です。
逆境に弱い人は心の準備ができていないため、
逆境の時に慌てなければなりません。

慌てることで冷静な判断もできなくなり、悪循環に陥るケースも
ありますので、
まずは逆境は来て当然だという心の準備をしておきましょう。

そして、逆境と順境はあなたの人生という時間軸でつながっていることを
忘れてはいけません。

「逆境の時に一度人生が終わって、順境に向けて再び人生が始まった」
なんてことはないですよね?
どんな人も過去の経験の延長線上に現在があると思います。
逆境は成功のプロセスだと割り切る楽観思考と心の準備をしておきましょう。

逆境を順境に変えるテクニックを持つ

心の準備だけでは心理的負担を軽減できたとしても、
具体的に脱出することはできません。
具体的に逆境を順境に変えるにはテクニックも必要です。

おすすめの方法は、
過去に逆境を乗り切った時のノウハウを書き出しておきましょう。

そうすることで類似のケースにはすぐに対応することができます。

また、
事前に想定されるハプニングと対処法のアイデアも書き貯めておくと
更に逆境に対処しやすくなります。
記録に残すことで、他の人にもシェアすることも可能なので
その事業にとっての良いノウハウとなるでしょう。

逆境が順境に変わるまでのお金の余裕を持つ

お金の余裕を持っておくことも経営者のたしなみです。

経営者は例外なく資金繰りに奔走するといいますが、
もしもの時を想定して
一定期間売上が減ったとしてもやり繰りできる体力があると安心です。

特に逆境の時ほど戦略的な投資が効果を生むことが多いので、
逆境預金を作っておくことをおすすめします。

まとめ

起業を成功させるためには事前準備が大切です。
理念や方針、ターゲットを明確にした上で
商品企画と広報・宣伝活動に励みましょう。
一定の準備ができたら事業を進展させることにまい進する他はありません。

しかし、実際に事業をしていくと思う通りに進まないことがあります。
逆境に対処する術もあらかじめ身に着けておくことが
経営者のたしなみだと考えましょう。

週末起業をするときに
「このジャンルを選んだら失敗する」というパターンがあります。