コーチングとはどんな職業?仕事内容や年収例を紹介

 

人材育成や目標達成のために、コーチングを活用する人や企業が増えてきています。

自分が実際にコーチングを受けたり活用してみて、その効果を実感すると、プロコーチの仕事に興味を抱く人もいるでしょう。

  • 「コーチングってどんな職業?」
  • 「プロコーチの具体的な仕事内容は?」
  • 「コーチングで独立したらどのくらいの収入が見込めるの?生活できる?」

これらは、プロコーチとして13年間活動してきた私(田中直子)が、実際に何度も受けてきた質問です。

この記事では、コーチングという職業に興味がある人に向け、やりがいや厳しさ、仕事内容、年収例などについてリアルにご紹介していきますね。

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コーチングとはどんな職業なのか

あなたはコーチングについて、どのようなイメージを持っていますか?

「人の成長をサポートするすばらしいもの」と思う人もいれば「質問ばかりで何も教えない」「よくわからないもの」と思う人もいます。

コーチングとはいったいどのような職業なのでしょうか。
私の経験を踏まえて、良い面・悪い面の両方をお伝えします。

コーチングは人の未来に光を当てる職業

今でこそコーチングを知る人は増えてきましたが、私が起業した当時は、コーチングという言葉の存在自体を知らない人がほとんどでした。

私がコーチングの仕事をしていることを話すと「コーチングって何?どんな職業?」と聞かれたことは、数え切れないほどあります。

コーチングの定義は様々で、簡単に説明するのが難しいのですがコーチとして長く活動してきた私がコーチングとはどんな職業なのかを一言で表すなら「人の未来に光を当てる職業」です。

コーチングの特徴は「相手の気付きや自主的な行動を促す」ところにあり、ティーチングやコンサルティングと違って、相手にアドバイスをしません。

人に言われて動くのではなく、コーチとの対話を通して自分で考え、気付き、行動する。

このようなコーチングのプロセスを繰り返すうちに、どのようなシーンでも自分で未来を切り開いていく力が育まれます。

人の人生に伴走し、その人が自分の力で望む未来に進めるよう成長をサポートできるコーチという職業は、非常にやりがいのある魅力的な仕事です。

現代は働き方の多様化が進み、副業や複業も当たり前の時代になってきています。

自由度が高く、幅広いジャンルで活動できるコーチングビジネスは、今後ますます注目されるのではないでしょうか。

コーチになるのは簡単だが続けることは簡単ではない

コーチングのよい面をお伝えしましたが、ここでは少し厳しい話をします。

コーチングで起業すること自体はいとも簡単ですし、ネット上にも「資格や実績がなくても、コーチングで月商100万円」などという情報があふれていますね。

しかし、これまでコーチングを本職にしたい多くの人たちと関わってきた私の経験からお伝えすると、コーチングで生計を立てることはそんなに簡単ではありません。

私自身、コーチングビジネスを軌道に乗せるまでには大変な苦労をしてきました。

資格やスキルを身に付け、コーチとして活動を始めたのに、思うような成果が得られず諦めてしまう人も、たくさん見てきました。

なぜ、コーチングビジネスを軌道にのせることが難しいのか?

それは、コーチングが様々なシーンで活用されるようになってきたとはいえ

  • まだまだ一般的にはあまり認知されていない
  • コーチングは価値を伝えるのが難しい商品である

この2つが大きな原因です。

これまでにも伝えた通り、コーチングは「相手の気付きや自主的な行動を促すコミュニケーション」であり、それこそがコーチングのすばらしい特徴です。

しかし、価値としてわかりやすい「アドバイス」がなく、一度のコーチングでは効果がわかりにくいため、ビジネスとして成り立たせる方法をしっかり学んで実践しない限り、コーチングで安定して収入を得ていくことは難しいのです。

低単価でコーチングを提供していると、集客できても疲弊してしまいますのでコーチングで起業するならコーチングスキルを磨くだけでなく「ビジネススキル」を身に付けることが必須になります。

コーチに向いている人と向いていない人

コーチングの活用は全ての人におすすめしますが、コーチングを仕事にするとなると、やはり向き・不向きがあります。

コーチに向いているのはどんな人で、向いていないのはどんな人なのか。

以下にまとめてみました。

<コーチに向いている人>

  • 人の話をじっくり聴くことが苦にならない人
  • 人の応援をしたり役に立つことが好きな人
  • 高い観察力や洞察力を持っている人
  • 人のペースに合わせたり、気持ちを察したりすることが得意な人
  • 人の可能性を心から信じられる人
  • 結果だけでなくプロセスを重視する人
  • 目標に向かって常にチャレンジしている人

<コーチに向いていない人>

  • 人の話を聞くより自分が話すことを好む人
  • 支配欲が強く、人に指示したい人
  • 人の気持ちに共感したり、ペースを合わせたりすることが苦手な人
  • 「努力しても結果がでなければ意味がない」と考える人
  • 現状維持にとどまり、チャレンジしない人

コーチは人をサポートする職業であり、相手の話を聴く時間がとても長い仕事です。聞き上手ではない、コミュニケーションが得意でないなどの問題は、訓練によって解決していくことできます。

しかし、「そもそも自分にしか興味がなく人の話を聞くのは嫌だ」というような人は、コーチには向いていないでしょう。

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コーチングという職業の仕事内容は?

コーチングがどんな職業なのか、ここまででイメージできたのではないでしょうか。
次は、実際にコーチの仕事内容についてご紹介していきます。

コーチングで起業した人の仕事内容

プロコーチとして起業した人の具体的な仕事内容は、主に2パターンあります。

①マンツーマンのコーチングセッション

コーチングを通してクライアントの目標達成を継続的にサポートしていく仕事です。契約内容によりますが、月に2~3回、一回45分~60分のコーチングセッションが一般的です。

契約期間中はメールやチャットなどで無制限にやりとりできるようにしているコーチも多く、クライアントによっては対応時間が長くなるでしょう。ただ、関係性を深めることができるためコーチングの効果は高まりやすいといえます。

 ②コーチングを教える仕事

企業や行政と契約を結びコーチング研修を行ったり、コーチングに興味がある一般の方向けにコーチングを学べる講座を開催したりする仕事です。この場合はコーチングを講師として教えることになるため、「ティーチング」の要素が強くなります。コーチとしてのスキルや経験が豊富な人向けの仕事になります。

コーチングの仕事は、表向きには上のような内容になりますが、実際はそのような仕事を一日中しているわけではありません。

  • セッションの準備や振り返り
  • 研修・講座開催に向けた資料作成
  • 仕事獲得のための情報発信やマーケティング・セールス活動
  • より高い価値提供をするための学び
  • 経理・事務

など、空き時間には様々なことをしています。

コーチング会社で働く人の仕事内容

コーチングを職業にする方法としてコーチ養成機関に就職する」という選択肢もあります。この場合の主な仕事内容は、以下の3パターンになります

①コーチングスクールの講師(コーチ育成)

全国展開しているようなコーチングスクールの中には、カリキュラムを終了して資格を取得した人向けに「講師養成プログラム」が用意されているところがあります。

さらに受講料が必要にはなりますが、採用されればコーチ育成講座のクラスを担当することができプロコーチとして働くことができます。

②企業で経営者・管理職を対象にしたコーチングセッション

大手コーチング会社は、経営層向けのエグゼクティブコーチングができるコーチを一般募集しています。コーチングスキルだけでなく、営業やコンサルティングの経験が必要な場合が多いですが、もともとそのような仕事に携わっていて、今後コーチングを仕事にしたいけれど独立することは望んでいないという人におすすめです。

③企業研修や組織開発

コーチング会社の社員になると、会社が契約を結んだ企業の研修や組織開発を担当することもあります。この場合、企業に出向いてチームリーダーにマンツーマンでコーチングセッションをしたり、複数の職員に対してコーチング研修をしたりします。


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コーチング起業での収入はどれくらい?

コーチングで起業したらどのくらいの収入が見込めるのか?
果たして生活していけるのか?

コーチの仕事に興味を持ったなら、誰もが気になるところですよね。しかし、実際のところコーチの収入はピンキリで、目安はあってないようなものです。

いったい、何が収入を決めているのでしょうか?
ここでは、わかりにくいコーチの収入についてできる限り具体的に解説します。

コーチの収入はこうして決まる

コーチの収入は、以下の3つで決まります。

  1. コーチングの価格
  2. クライアント数
  3. 経営者としてのビジネス力

具体的にイメージできるよう、あなたが「独立して間もないコーチ」だと仮定して収入をシュミレーションしてみましょう。

収入の目標額: 月20万円
商品: マンツーマンコーチング(月2回×6ヶ月契約)
価格: 12万円(1回60分で1万円×月2回×6ヶ月)

上の設定は、無料や低価格でのコーチングセッションは経験しているけれど、まだ活動歴が浅いコーチによくある例です。

この場合、クライアント1人当たりの月額が2万円のため、月20万円の収入を得るにはクライアントが10人必要になります。

とはいえ、独立してすぐに10人のクライアントと契約することはなかなか難しいので、最初は1人から徐々に増やしていくことになりますよね。

このとき、クライアントを順調に増やしていけるかどうかを左右するのが「経営者としてのビジネス力」つまり、商品企画やマーケティング・セールス・時間管理など、ジネスを成功させるための能力です。

ビジネス力が低いと、クライアントが増えるまでに貯金が尽きたり、精神的に苦しくなって起業を諦めてしまうのです。

しかし、毎月1人か2人と契約することができれば、早くて5ヶ月、遅くとも10か月で月20万円の収入は実現します。

経費については、事業の規模が小さいうちは、ほとんどかからないため最初はあまり気にしなくてもよいでしょう。(対面の場合は交通費と飲食代、オンラインならインターネット接続料金くらいです。)

実績が増えコーチング単価を2倍にした場合、同じ10人のクライアントでも収入は2倍、つまり月40万円となりますし、クライアントの数を増やせばさらに収入はアップします。

このように、経営者としてのビジネス力があれば、自分でコーチング単価やクライアント数、収入を決めることができます。

ただし、実績を積めば、好きなように価格を上げても売れるとは限りません。

コーチングの価格はコーチが自由に決められるとはいえ、価格設定の基準は「コーチのレベルや考え方」だけではなく「誰にどんな内容のコーチングをするのか」によっても大きく変わるからです。

コーチングの対象や分野によっても年収に差が出る

コーチングには、人生全般を扱うものから目標や悩みに特化した様々な商品があります。対象や分野によって価格差があるため、この差がコーチの年収にも大きく影響します。

様々なコーチングの例

ライフコーチング、ビジネスコーチング、英語コーチング、婚活・恋愛コーチング、スポーツコーチング、ダイエットコーチング、育児コーチング、セルフコーチング、メンタルコーチング、受験コーチング、起業コーチング

例えばライフコーチングや恋愛コーチングの1時間当たりの料金を調べると、多くは5,000円〜30,000円で提供されています。

一方、ビジネスコーチングの場合、1時間あたりの料金は20,000円~50,000円と比較的高く、管理職が対象なら30,000円、経営者を対象にしたものは80,000円など、対象による価格差が大きいのが特徴です。

また、語学やスポーツ、起業などのコーチングは、純粋なコーチングよりもティーチングやコンサルティングの割合が多いこともあり、内容が様々で、価格の幅が非常に広くなっています。

これらを考えると、コーチの収入は実績やビジネス力だけで決まるわけではなく「誰にどんな内容のコーチングをするのか」という市場のニーズによっても大きく変わることがわかりますね。

自分が得意な分野や情熱がある分野の価格相場はどのくらいなのか?
その分野でトップレベルのコーチは、どのくらいの価格でクライアントと契約しているか?

それらを調べることで、おおよその年収や年収の限界がわかるでしょう。

コーチング起業の収入、年収例

想像だけではイメージが湧きにくい人のために、分野の異なる3人の年収例をご紹介しましょう。
(※年収は、年間の売上から経費を引いたものです。税金は考慮していません。)        

ライフコーチ 起業2年目のMさん
年収 約180万円
年商 約200万円
経費 約20万円
経費内訳 主にインターネット接続料金、公式LINE有料プラン使用料、月額制アプリなど
<詳細>
12万円の継続コーチング(10回)  x 16名/年
3,000円の体験セッション x 30名/年

コーチング資格を取得し、起業して2年目のMさんの年収は、約180万円です。

起業したての頃は2,000円のモニター価格でコーチングセッションをしていたため、月の売上がたったの1万円ということもありました。しかし、場数を踏んで徐々に値上げをし、現在は毎月1~2名のクライアントと継続コースの契約を結ぶことができるようになっています。

広告は使わずにSNSなど無料の媒体で集客し、自宅で活動しているため、経費は最低限です。

スポーツコーチ (メンタルコーチ) 起業4年目のTさん

年収 約400万円
年商 約460万円
経費 約60万円
経費内訳 主にサッカー教室のグラウンド代、道具など
<詳細>
少年サッカー教室運営240万円
メンタルコーチング220万円(スポーツ団体や個人との契約)

スポーツコーチとして起業4年目のTさんは、もともと自分がプロのサッカー選手を目指していた経験があり、サッカー教室のコーチをしながらスポーツメンタルコーチとして活動をしています。 

サッカー教室は月謝と生徒数で収入が決まりますが、他のサッカー教室との兼ね合いなどから月謝を値上げすることは難しく、生徒を増やすとコーチを雇わなければならないため、収入アップはなかなか難しい面があります。

また、アスリートに特化したメンタルコーチングも、日本ではまだニーズが少ないため集客の難易度は高めです。

しかし、Tさんは両方やることで収入の安定を図っており「忙しくても自分の好きなことを仕事にしていて、やりがいも大きい」と満足しているようです。

起業コーチ 起業5年目のYさん
年収  約500万円
年商 約700万円
経費 約200万円
経費内訳 主に知識やスキルアップのための自己投資インターネット接続料金、広告宣伝費、メール配信スタンド使用料、月額制アプリなど
<詳細>
6ヶ月で55万円の起業コーチングを年間12名
数千円の体験セッションを年間50名

ビジネス系のコーチングは単価設定が高めで、他の分野のコーチングよりも年収が高い傾向があります。

Yさんも、売上は約700万円と、ビジネスは軌道に乗っています。しかし、「起業」を扱うYさんは常にビジネスについて学んでおり、講座やセミナー参加費などに年間100万円以上の自己投資をしているため経費が多くなっています。

本来、利益率が非常に高いコーチングビジネスですが、変化が激しい業界や、常に学びが必要な業界の場合、予想以上に経費がかかることもあります。しかし、正しい自己投資をすれば、いずれは投資した以上のものが自分に返ってくるため、クライアントにより貢献し、ビジネスを拡大していくためには必要な経費と言えるでしょう。

コーチの収入について、イメージできたでしょうか?

以下の記事では、私がコーチングで起業したばかりの頃のリアルな収入について書いていますので、よければ読んでみてください。

コーチングの収入例は?どれだけ稼げる?

コーチングで起業し安定収入を得られるようになるには?

プロコーチとして10年以上活動してきた私は、コーチはサラリーマン以上に稼げる職業だと確信しています。コーチは利益率が非常に高く、価値を伝えることさえできれば稼ぎやすい職業だからです。

しかし、独立しても収入が安定せず、辞めてしまうコーチが多く存在するのも事実です。コーチングで起業し、安定収入を得るために必要なことは何でしょうか。

コーチング資格があるだけでは稼げない

  • コーチングの資格は取ったけれど、なかなかクライアントが見つからない…
  • お試しセッションで継続のコーチングを勧めると断られてしまう…

このような体験を何度もし「きっと私がコーチとして未熟だから断られるんだ、もっと学ばなければ…」と、十分スキルを学んだにもかかわらず更に学ぼうとする人がたくさんいます。

しかし、ここまで読んでくれたあなたはもう十分理解しているはずですね。

コーチング資格を取得したり専門知識を増やしたりしても、プロコーチとして成功できるわけではありません。もちろん、資格取得やスキルアップに励むことも大切なのですが、クライアントができない原因は、コーチとして未熟なせいではないのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

それは、お試しセッションに来てもらう前の段階でサポートしたいクライアント像を絞り、その人に合った商品を作り、継続でコーチングを受ける価値を伝えておくことです。

そうすれば、購入見込みの高い人にお試しセッションをし、高単価でも契約を結ぶことができます。すでにコーチングを学んできた人が、売れないからといってスキルや知識の習得に注力する」のは時間とお金の無駄になりやすいため注意してください。

必要なのは売れる商品とコーチングの価値を伝える力

コーチング起業で安定収入を得るために必要なことは以下の3つです。

  • 高くても売れる独自の商品を作ること
  • 濃い見込み客を集めること
  • コーチングの価値を伝えていくこと

有名人でもない限り、この3つのどれが欠けても安定収入は叶いません。

また、これらは歯車のようなものなので、自己流だとうまくかみ合わず動かないということも多いです。例えば「コーチングの価値を伝えていくことが大切」というと「コーチングの良さ」をアピールすることだと誤解し、的外れな伝え方をしてしまう人がよくいます。

本人はよかれと思ってしていることが、逆効果になるなんてとてもつらいですよね。

しかし、そのような場合でも、何が悪いのかを特定し、ズレを修正すれば急に歯車がうまく回りだすことはよくあります。

「この人と関わると、理想の未来が手に入りそう!」と、お客様がワクワク想像できるような伝え方ができれば、お試しセッションでは売り込むことなく背中を押すだけで契約が決まるようになるのです。

そうなれば、コーチングで起業して安定収入を得ることは、決して難しくありません。自己流での失敗はよい経験にはなりますが、原因がわからないままだと失敗し続けることになり、疲れてしまいます。

あなたにはそうなってほしくないので、ぜひ正しいビジネスのやり方を知り、コーチングでクライアントの成長に貢献する喜びをたくさん味わってください。 

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コーチングを職業にして人の未来に光を当てたいあなたへ

コーチングがどんな職業なのか、具体的にイメージできましたか?

コーチの仕事は厳しい面もありますが、人の未来に光を当てる素晴らしい仕事です。

もし、コーチングの仕事について更に知りたくなったなら、ぜひ以下の中から興味のある記事を選んで読んでみてくださいね。

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