「高額商品の売り方|【コーチ向け】売る・買う側の心理を徹底解説」
高額商品は、有形・無形を問わず価格が高い商品のことを指します。
有形のモノや無形のデジタルコンテンツ、各種オンラインコース、コンサルティング、セミナー、コーチングセッションなど様々なサービスがあります。
特にコーチにとって無形の高額商品はどうやって売れば良いのでしょうか?
この記事では、コーチ向けに売る側・買う側の心理を徹底解説いたします。
ぜひ参考にしてください。
目次
高額とは「いくらから」のことを指す?
高額商品と聞くと、あなたはいくら以上の商品をイメージするでしょうか?
3万円以上高額商品と考える人もいれば、10万円以上を高額商品と考える人もいるでしょう。
また、たとえ1,000円だったとしても、普段100円で売っているものが1,000円で販売されていればプレミアムな商品と感じるはずです。
さらに、購入側の年収や貯蓄状況、資産状況によって高額商品に対する考え方が異なります。
100万円の資産しかない人にとって1万円は1%ですが、1,000万円の資産がある人にとって1万円は0.1%です。
つまり、高額商品には決まった金額があるわけではなく、さまざまな相対的価値や主観に左右されるのです。
相対的価値や主観に左右されるということは、人の心理が高額かどうかを決めているといえるでしょう。
高いか、安いかは「買う側が決める!」購入者の心理・理由とは?
高いか安いかを決めるのは売る側ではなく、買う側が決めます。
価格設定はとても重要です。
売り手の勝手なイメージで値段設定してしまうと、市場からかけ離れた高額になったり、より高い価格で販売できる機会損失を生んでしまいます。
価格を決めるということは、商品サービスのポジションや客層を決めることでもあります。
価格は販売戦略に大きく影響するのです。
ちなみに、低価格で全く売れなかった宝石が、高額にしただけで飛ぶように売れたという話もあります。
これは、値段を高くすることによって希少性が上がり、買えない損失を回避する心理的リアクタンスが働くと考えられています。
いずれにせよ、購入者の心理や理由を分析した上で値段設定すると良いでしょう。
では、購入する理由について紹介します。
理由1: 価値
まず、購入者にとっての購買理由は「価値」です。
購入者は価格よりも価値が高ければ購入しますし、価格よりも価値が低ければ購入しません。
もちろん浪費家や衝動買いの場合、価格より価値が低くても高くても購入するケースはありますが、この場合、単に判断力が低下しているといえるでしょう。
例えば、高級ホテルとして知られるリッツカールトンでは、コーヒー1杯1,500円です。
1,500円以下でもリッツカールトンより美味しいコーヒーは世の中にたくさんあると思いますが、それでもリッツカールトンに1,500円を払って飲みたいと思う人が沢山いるのです。
それはコーヒー以外の要素、つまり、ホテルの上質なサービス・雰囲気・ブランドを含めた「価値」に顧客はお金を払っているのです。
高額商品を販売したい場合には、顧客に商品の「価値」をきちんと理解してもらう販売方法や営業を考えましょう。
「価値」を理解してもらうには、その顧客にとって、あなたの商品にはどんな「価値」があり得られるのか徹底的に検証し、理解してもらう必要があります。
ターゲット層の顧客にとって「あなたの商品のどこに価値があるのか」をしっかり分析しましょう。
理由2: 感情(共感)
購入者が購買活動をする理由の2つ目が「感情」です。
人間は感情の生き物ですので、感情的にこの人から買いたいと思うと、購入してもらえる確率がとても高くなります。
感情に訴えかけるには互いに「共感し合う」ことが重要です。
そのためには、顧客が何に悩み、解決したいと思っているのか「悩みの本質」を見抜き、共感できることがとても重要です。
ターゲットの気持ちや立場に立ち、感情や懐に入るサービス、キャッチコピーやセールストークなどを考えましょう。
理由3: イメージ(明確なビフォー・アフター)
3つ目の理由は「イメージ」です。
人間の脳はイメージしたことを再現する性質があるため、リアリティーのあるイメージをさせるほど購入の確率はさらに上がります。
人間はどんなことでもイメージをしています。
臨場感が高いイメージになればなるほど、それを再現しようと意識や行動をそのイメージに近づけようとします。
臨場感の高いイメージを与えるセールストークの工夫が重要となります。
そこで、明確に分かりやすいビフォー・アフターを提示しましょう。
ターゲットが置かれている現状をビフォーとし、ターゲットが変えたい・なりたい状況をアフターとすればイメージの臨場感が高まります。
具体的なビフォー・アフターは、ターゲットの購買意欲を大きく掻き立てます。
購入するという行為は、購入者が明確に頭の中でイメージできたことの追体験に過ぎないのです。
理由4: 合理的な機能・サービス提供の仕方
購入者にとっての機能的・合理的な方法の準備や用意も忘れてはいけません。
どれだけ商品に良いイメージを持てたとしても、購入者にとって機能的で合理的なサービスの利用方法でなければ購入してもらえません。
例えば、コーチングセッションを対面だけで行っている場合、すぐにでも、オンライン・セッションも導入した方が良いでしょう。
オンラインのほうが、人によっては緊張が和らいだり、多忙な顧客にとっては移動時間を減らせたり、日時調整がしやすくウェブ環境さえあれば時間・場所を問わず継続してあなたのコーチングセッションを受けることができます。
また、提供側も時間管理しやすく経営者としての「時間」のリソースを最大限に活かすことができるでしょう。
また、セッションは数回にわたり継続して行われるものですから互いにとって「継続しやすい」方法を予め準備しましょう。
逆に、対面を好む顧客もいらっしゃいます。
対面だと安心してコミュニケーションできると感じる方もいらっしゃいます。
臨機応変に様々な手段・方法を用意して、顧客に選んでもらいましょう。
理由5: アフターケア
高額商品の購入者は質の良いサービスを求める方がほとんどでしょう。
もちろん質の良さは購入者によって基準が違いますが、真剣に悩みの解決を考えてくれる姿勢や対応、レスポンスの早さ、提案力、要望の理解度、親切丁寧でまめな対応など様々でしょう。
特に、アフターケアは大切な要素です。
丁寧なアフターケアは後々、口コミや評判を作り宣伝を担ってくれます。
売りっぱなしにならないように気を付けましょう。
ただし、顧客満足が上がればクレーマーも増えるという側面があります。
これまでのサービスでは顧客が満足せず、満足のハードルが上がり始めるのです。
そこで、できないことはできないとハッキリ表明や説明することも重要です。
サービス内容で「何かできることで、何ができないこと」なのか明確な説明を心がけましょう。
高額商品を売る側のメリットとは
高額商品を売る側にとっては、どのようなメリットがあるのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
メリット1: 高い収益が見込める
高額商品のメリットは、なんといっても高い収益が見込めるところです。
例えばコーチングセッションを毎回1万円で行なっていたとします。
そうなると毎月100万円を売り上げるためには、100セッションこなさなければなりません。
1回1時間程のコーチングセッションの場合、100時間必要となります。
営業日を月20日とすれば、1日5件こなす必要があります。
これだけ集客するのも大変ですし、スケジュールや顧客管理、何より自身の労力がとても大きいでしょう。
コーチングセッションをお一人で行っているコーチの方がほとんどですから、マンパワーに限界が生じやすいことでしょう。
そこで、1人当たり1か月20万円のコーチング・セッションコースを毎月5人に売ることができたら、月100万円の売り上げは立てられます。
しかも、コーチングセッションは数か月と継続して行うものですから単発で終わらず、中長期の収入を見込めます。
時間効率もよく、労力も低いため、さらなるサービス向上や集客に時間が取れ採算性が向上します。
このように高額商品を少人数に営業し売ることで、一人一人の顧客に対して質の高いコーチングセッションを継続的に提供できるでしょう。
メリット2: ビジネスが飛躍的に成長できる
2つ目のメリットとしては、ビジネスが飛躍的に成長できるところです。
高い収益によって手元資金を確保できたら、さらなる自己投資やビジネス拡大など新たな投資がしやすくなります。
結果的に、経営にとって大きなプラスとなります。
また、中長期で売上予測を立てやすくなるメリットもあります。
そこで、さらにサービス内容を充実させた高額商品の立案や営業活動に精を出すこともできるでしょう。
メリット3: 質の高いクライアントをもてる
商品が高額であると、クライアントの質が高くなる傾向があります。
コーチングやカウンセリングでありがちな例として、無料(ボランティア)でセッションを行うと、時間を守らなかったり、すっぽかし、ドタキャンの発生が非常に多いです。
しかし、高額なお金を払っている顧客ほど真剣に取り組むことを前提で購入していますので、質の低いクライアントはふるいにかけられます。
そのような顧客層からの紹介や「類は友を呼ぶ」効果で質の高い顧客との出会いが期待できるでしょう。
メリット4: 専門性やブランドにつながる
高額商品は専門性やブランドにつながります。
これは「これだけ高額な商品を提供する人だから、よっぽど立派なサービスを提供してくれるのではないか」という心理が働きます。
ハードルが上がってしまうと考える人がいるかもしれませんが、この先入観がサービスに対する印象を上げてくれる役割も担うため、自動的に付加価値がつきます。
自動的に付加価値が上がったぶん、コーチとしても真剣に顧客の悩みに向かい合い全力で解決するため丁寧で上質なサービスの提供をコミットすることにもつながります。
また、低価格サービスとの差別化もできるため大きな効能を得られるでしょう。
メリット5: 売る側のモチベーションアップ
高額商品は、売り手のモチベーションアップにも寄与します。
低価格商品をたくさん売ろうと思うと、疲弊の原因となります。
低額にもかかわらずクレームを入れられた場合は、割に合わないと感じ心が折れてしまいます。
しかし、高額商品は1つ売れるだけで高い収益が見込めるうえに、顧客が「商品価値を理解して購入してくれた」という大きな自信になりモチベーションアップになるでしょう。
高額商品を売る側デメリットとは
次にデメリットについて具体的に見ていきましょう。
デメリット1: 営業しにくい
高額商品のデメリットは、営業しにくいところです。
見込みの顧客層がいきなり高額商品を購入することは考えにくいため、購入までの間に信頼を得て、商品の価値を理解してもらうプロセスが必要になります。
信頼と理解を得るために、SNS発信やgoogle広告、YouTubeなどの媒体で宣伝活動を行いつつもメルマガなどで商品の情報発信を行う必要があります。
そのため、どうしても一定の時間がかかります。
繰り返しの宣伝活動と頻繁な情報発信で信頼と理解を得て、初めて見込み客になり得るのです。
デメリット2: 売る側が自信をもてない
先述の通り、高額商品が売れた時は自信とモチベーションを高められますが、これはあくまでも軌道に乗った場合の話です。
軌道に乗る前は自信やモチベーションが持ちにくいという側面があります。
売る側の心理としては「こんなに高くて良いのだろうか?」「価格に見合ったサービスを提供できるのだろうか?」と不安になりがちです。
これは自分が自分自身をどう思っているかという「セルフイメージ」が原因です。
「高額商品の提供が相応しい自分である」というセルフイメージを持てれば自然に解消できるでしょう。
高額商品を売る前に、一度、ご自身でセルフイメージについて見直されるといいかもしれません。
デメリット3:「高額」=「悪」「怪しい」「ぼったくり」とされやすい
高額商品というだけ「悪」「怪しい」「ぼったくり」と思われやすい傾向があります。
確かに世の中には劣悪な商品・サービスを高額で販売するケースや詐欺事件をよく耳にします。
高額であるという理由だけで、このようなマイナスイメージが付きやすいこともあるので事前にセールストークの準備と練習が必要です。
これらのイメージを払拭させるためには「信頼」と「価値の理解」を勝ち取る必要があります。
そのためには「あなたの商品のどこに価値があるのか」をしっかり説明する練習が必要です。
その「価値」を理解してもらい購入して頂き、頂いた額に見合ったサービスの提供をプロとして行わなければなりません。
デメリット4: そもそも・・・日本人のコーチングやカウンセリング意識の低さ
日本ではコーチングやカウンセリングに対してお金を支払って受ける、という意識が低いため、売りにくいというデメリットがあります。
アメリカでは、スクールカウンセラーはもちろんのこと、かかりつけ医感覚でメンタルヘルスや人間関係、家族・夫婦関係のカウンセラーなどが活躍しています。
スポーツの分野以外でもコーチがあらゆる場面で活躍しています。
アメリカは移民の国であるため、生活の中で多様な価値観や人間関係のストレスに向き合う必要があるといわれています。
しかし、日本では右へ習えの習慣や集団主義の協調性を重んじる文化があり多様な価値観のぶつかり合いが比較的低い国民性です。
そのため、コーチングやカウンセリングを受けてまで問題を解決していこう、より良く改善していこうとする意識が低いといわれています。
デメリット5: クレームやトラブルのリスク
高額商品を売る際、クレームやトラブルのリスクは想定しておきましょう。
満足なサービスを提供できなければ、高額である分、クライアントの失望も大きくなります。
クレームやトラブルは事前に想定し、どう対応するのかご自身でガイドラインを準備しておきましょう。
クレームやトラブルが生じた際、今後のサービス提供におけるヒントとなることも多いため、上辺のクレーム対応で終わらせないよう改善点があれば活かしましょう。
高額商品の売り方とは?コツとポイント
高額商品を売るためのコツは、買う側の理由や決め手をしっかりおさえましょう。
先述のとおり
- 「価値」
- 「感情(共感)」
- 「イメージ(明確なビフォー・アフター)」
- 「合理的な機能・サービス提供の仕方」
- 「アフターケア」
をしっかり押さえましょう。
これらを網羅した商品設計を前提に、広告や宣伝、情報発信を行いましょう。
その際、顧客には商品の「価値」に対する「投資」や「問題解決の手段」として理解していただき購入していただきます。
その際の基準の一つとして金額があるわけですから、金額だけが一人歩きしないような売り方がポイントです。
具体的には
- 商品内容はターゲットにしている顧客層に対して適切かどうか
- 特典(無制限のメールサポートや割引サービスなど)は付けた方が良いか
- 保証内容(全額返金保証、サポート期間の延長など)はどうするか
なども、購入の決定をする際に大切な要素です。
他にも、以下のような点も考慮しましょう。
- 支払い方法(現金一括、銀行振込、クレジット一括、クレジット分割、ペイパル決済など)
- 申し込み期限(本日限定のオファー、○月○日までのお申込み限定、初回申し込み限定など)
さらに、商品を購入していただきサービスを受けたら今の問題がどう変わるのか、どんな明るい未来が開けるのか明確に説明し、イメージを持ってもらうことが何より重要です。
購入を検討している人に「買う」という意思決定をしてもらえるよう、目に見えないその人が抱える「懸念点の払拭」が大切です。
そのためには、購入に踏み切れない見込み客が抱える懸念点が何なのか注意深くヒアリングする必要があります。
例えば「今は買わない」「考えておきます」という断わり文句はよくありがちかと思います。
しかし、これは問題を先送りすることになり、いつ解決するのか、ずっとそのままでいいのか、単なる現実逃避にならないか、といった説得する機会になります。
「家族に反対されている」「時間がない」「お金がない」「自信がない」も典型的な「断る」パターンです。
家族の反対は「誰が、どんな心配をしているのか」をしっかりヒアリングする必要があります。
「時間がない」「お金がない」「自信がない」に対しても、問題解決に自ら工夫して取り組まない限り、最初の一歩を踏み出さない限り、一生ずっと現状のままであることを認識させるアプローチが効果的です。
まとめ
高額商品を購入する際、「価値」に対して高いか・安いかを判断するのは購入者が決めます。
売る側が金額に惑わされず、自分が提供する「価値」をしっかりお客様に説明し、理解・納得してもらい、購入する意思決定のサポートも行いましょう。
何より重要なことは、売る側も買う側も問題を解決するために互いが真剣にコミットし合うことが重要なのです。
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