「初心者でも簡単に理解できる!ずばり、マーケティングとは?解説まとめ」

 

企業の経営・運営において、マーケティングの重要度が非常に高くなっています。

皆さんもマーケティングという言葉は、今まで何度も見聞きしていると思いますが「マーケティングって何?」と聞かれたら、あなたは、どのように説明しますか?

マーケティングの目的や役割、具体的にどんなことをするのか…はっきり浮かんできましたか?

考え込んでしまう人も少なくないでしょう。

ビジネスの歴史を紐解くと、マーケティングについてのあらゆる見解や提唱がたくさん見つかります。

今や現代のビジネスにおいて、マーケティングは必須です。

ビジネスパーソンの基礎知識として、これから起業・副業する人も
ここで理解を深めておきませんか?

マーケティングとは何か?

まずはじめにマーケティングがどのようなものなのか、ビジネスにおけるマーケティングの歴史、「マーケティング」と「経営・競争戦略」との関係性、マーケティングを一言でいうとどのように言い表せるのか、という様々な視点から
マーケティングについて整理していきましょう。

マーケティングの基礎知識

マーケティングは、企業が事業を回していくために必要な活動の一つです。

このマーケティングという活動を分解してみると、大きく4つに分けられます。

  ①顧客ニーズ … どのようなニーズがあるのかという市場動向を知る
  ②製品計画  … ニーズを踏まえ、何を提供するのかを決め、創り出す
  ③販売経路  … どのような経路でどうやって売るのかを決め実行する
  ④販売推進  … 継続的に売る、さらに広げるための取り組みをする

①~④いずれかの部分だけではなく、すべてを含む一連のプロセスがマーケティングです。

宣伝・広告・ブランディングだけじゃない!広義的な社会活動である

マーケティングと聞いたとき

「宣伝すること」
「広告を出すこと」
「ブランディングすること」

などが思い浮かんだ人は多いのではないでしょうか。

確かに、これらもマーケティングには欠かせない取り組み・活動です。

しかし、一度に少数の販売を繰り返すだけでは売上は伸びません。

リピートでの継続はもちろんのこと、口コミによる拡散から新たな購入や顧客層を創出する必要があります。

継続や拡散は、買い手側に何らかのメリットや付加価値がなければ難しいものです。

例えば

  • 購入することで「より良いもの・サービス」を手に入れられる
  • 利用することで「充実した時間が過ごせる」「楽しい」「優越感」
  • 使うことで「より早く目的が達成できる」「利便性・効率化」など

購買行動のすべてが、消費者の生活や仕事に、つまりは人生そのものに影響を与えていくことでしょう。

より多くを売り上げるほど、その影響を受ける人の数は多くなります。
つまり、個人という「点」だけでなく社会的な「面」に影響を与えるのです。

マーケティングとは、利益を継続的に上げるための活動です。

継続が伴ってはじめて、マーケティングがうまくいっているといえます。

狙う効果が大きいほど、対個人ではなく社会活動にも値してくるといえるでしょう。

マーケティングの歴史について

「ものを創るだけでは売れない、売るためのマーケティングが必要」

マーケティングの概念を生み出したのは、アメリカと言われます。

ビジネスに欠かせないマーケティング。

その歴史を見ていくと、あらゆる定義が見つかります。

時代の変化も、マーケティングの定義の移り変わりに大きな影響を与えているようです。

幾つか権威者が提唱するマーケティングの定義をご紹介しましょう。

AMA(アメリカマーケティング協会)の定義

マーケティング概念の発祥地であるアメリカのマーケティング協会(AMA)では、マーケティングについて以下のように定義しています。

『販売活動だけに留まらず、顧客、依頼者、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動である。』
~2007年改訂~

実は、AMAは1940年以降、時代に応じて4回の再定義を繰り返しています。

最新の定義には「パートナー」「社会全体」への視点が加わっています。

フィリップ・コトラーの定義

フィリップ・コトラー氏は、マーケティングに興味のある人なら必ず目にする名前ではないでしょうか。

マーケティング界の権威・アメリカの経営学者です。

コトラー氏が提唱するマーケティングの定義は

『マーケティングとは、経営・社会的な活動プロセスである。その中で個人やグループが、価値ある製品やサービスを創出・提供し、他者との自由な交換によって、必要なものや、欲するものを手に入れる』

コトラー氏は、歴史上のマーケティングの変遷について以下のように、マーケティング1.0~現代の4.0で示しました。

【1.0】作れば売れる製品中心の時代(1950年~)
モノが少なかったため、生活のあらゆるシーンに、ニーズが存在していたモノは作った分だけ売れ、大量生産に消費が伴っていた時代といえる。

【2.0】モノが充足し始め、消費者中心に変わっていく時代(1970年~)
消費者がモノに満たされ、「選択」して購買するようになった景気低迷で、消費者の購買活動が絞られ始める選ばれるためのマーケティングが必要とされる時代となった。

【3.0】消費者の得る情報は増え、価値やメリットを求める時代(1990年~)
情報入手の手段にインターネットが加わる。
企業からだけでなく、実際のユーザーの感想・意見も手に入るようになった商品やサービスだけでなく、企業への共感度が購買に影響を与え始める

【4.0】ニーズの多様化が進み、各消費者が自己実現を追う時代(2010年~)
多様化する個々の自己実現ニーズに対応する必要が出てきたライバルはグローバルな範囲に拡大し、顧客獲得競争が激しくなる。

これら1.0から4.0は、マズローの欲求5段階説にも通じるものがあります。

【マズローの5段階欲求】
生理的欲求  …1.0~2.0
↓安全欲求  …1.0~2.0
↓所属欲求  …3.0
↓承認欲求  …3.0
自己実現欲求 …4.0

つまり「現代の私たちは何かを購入しようとする際、自己実現欲求を満たし叶える商品・サービスを無意識に探し求めている」といえるのではないでしょうか?

経営の神様・ピーター・ドラッカーの定義

経営学のカリスマ・ピーター・ドラッカーをご存知の方も多いでしょう。

ドラッガー氏は、マーケティングを以下のように説いています。

『マーケティングの目的は、セリング(単純販売活動)を不要にすることである』

顧客が買いたいモノや使って価値を見出せるモノを作り、認知されやすいルートを通して誰かが売り込まなくても、自然に売上が上がるのが理想だということです。

言うまでもなく、何もしないで、その「自然な流れ」が生まれる時代ではありません。

「何をどう売るか」の仕組みを考え、その質を高めることがマーケティング。

そのために、顧客を理解し、顧客のニーズや満足の追求に力を注ぎなさいと説いています。

マーケティングは、経営・競争戦略と密接な関係がある

企業ごとにマーケティングの在り方はさまざまです。

マーケティングの手腕が企業の業績にも大きな影響を与えます。

今後もさらなる売り上げと企業の存続維持には「組織改革」が常に必要とされます。

その「組織改革」にマーケティングの手法は常に見直しや考慮がなされます。

従来のビジネスは、小売店や店舗での販売、営業の直接訪問が主流でしたが現在は、消費者と直接顔を合わせて販売する接点は減ってきています。

インターネットやデジタル経由での購買活動が浸透しています。

今やITを活用しない企業の生き残りは不可能です。

現在の販売活動もお客様対応もインターネット上で行われています。

多くの消費者が、情報収集から購買をインターネット上で行う現在、企業は情報発信や販売経路をインターネット上で行わなければなりません。

それは、企業の顧客獲得競争の場がグローバル市場にも広がることを意味し、国内だけではありません。

消費者のニーズを読み取り、狙った消費者の目に留まるように商品・サービスを露出させメッセージを発信し続けていくことがより一層重要になってきます。

企業活動のうち「何に注力し、いくらの財源を投資し、どんな顧客に対して、他社とは違うメッセージをどう発信していくのか」という戦略が生き残るためには今後、ますます不可欠でしょう。

このように、マーケティングと経営・競争戦略は密接に結びついています。

一言でいうと「三方よし(売り手・買い手・社会貢献)で自動的に売れる仕組みを作る」

マーケティングを一言で表すとすれば
「三方よし(売り手・買い手・社会貢献)で自動的に売れる仕組みを作ること」といえるでしょう。

モノが溢れる世の中で、多くの顧客を掴むことは簡単ではなくなっています。

企業の中には利益に妥協し、価格を下げるという「安売り」という手段で手を打つところもあるでしょう。

しかし、利益が減れば、新しい創出物が生まれず質が落ちる可能性や他社と差別化できず埋もれてしまう可能性があります。

そうなると企業や商品の評判が落ちリピートも新規顧客もつかず飽きられ、顧客獲得はさらに難しくなるでしょう。

そして、利益や事業縮小のスパイラルに陥ってしまうのです。

売り手と買い手、お互いにとって「価値」がなければ利益はおろか、継続的に売り上げを維持していくことさえできなくなります。

加えて、従業員や取引先、株主、購買によって影響を受ける顧客など全てのステークホルダーにとって「価値」が感じられる「モノづくり」や「商品・サービス」が当たり前のように受け入れられる競争の激しい時代です。

どう「商品・サービス」の良さや魅力を社会に発信していくのかが鍵となります。

売り手と買い手だけでなく、さらに広い範囲で社会に貢献できる仕組みを創り出す必要があります

皆が繁栄できる地点を見出すためにあるのが「マーケティング」といえるのかもしれません。

マーケティングの大分類

では、マーケティングの分類を見てきましょう。

巷で、〇〇マーケティングという手法をよく見聞きすると思います。

それらは主に、1章の「マーケティングの基礎知識」で紹介した④販売推進であり「時代の流れとともに流行り廃りの変化が激しい手法」と言われています。

ここでいう分類とは、販売促進の手法ではなく「概念」として捉えてください。

マス・マーケティング(テレビ・コマーシャルや街頭の巨大広告など)

マス・マーケティングとは、テレビ・雑誌・新聞・ラジオなどの媒体を使うもので誰でも知っている手法でしょう。

不特定多数の幅広い消費者とのコミュニケーションを目指します。

つまり、コミュニケーションが一方通行的といえるのが特徴でしょう。

また、「大量生産・大量消費」時代の象徴とも言えるでしょう。

新商品のプロモーションなど大量の見込み顧客の「認知」につながりやすく現在でも活用されますが「購買」まで結びつけることは難しくなっているようです。

非常に高額な広告費をかけて宣伝のシャワーを一律に浴びせることが非効率な側面もあります。

ダイレクト・マーケティング

ダイレクト・マーケティングはの多数に絞り込んで顧客の反応を促します。

よく間違えやすいのが、よく聞くダイレクトメールは手法(戦術)のことで、このダイレクト・マーケティングの概念とは区別しておいてください。

1961年、ダイレクト・マーケティングの概念を体系化したのは、アメリカのレスター・ワンダーマンです。

それまで広いアメリカの国土で発達した「通信販売(メールオーダー・サービス)」は、カタログ販売が主流でしたがワンダーマン氏は2種類の広告を同時にテストして結果の良いほうで展開する「スプリット・ラン」を新たに開発しました。

これは、お試しで顧客の不安を取り除いたあとに本契約(バックエンド)に繋げる2ステップ販売のことです。

このダイレクト・マーケティングと、マス・マーケティングの決定的な差は効果計測が実数で正確に行えることです。

現在は、実数で計測できるダイレクト・マーケティングの利点を生かし、さまざまな「〇〇・マーケティング」に派生しています。

現在の「インターネット・マーケティング」全般があてはまるでしょう。
コンテンツ・マーケティング、YouTubeやSNSなどを使ったマーケティングもその派生です。

ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)

ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)は、1999年末に日本の経営コンサルタントの神田昌典さんによって広く提唱されたものです。

昔は、卸売店や小売店を通さないと商品を売ることができませんでした。

前述のダイレクト・マーケティングは「メーカーが直接、消費者に商品を提供する営業手法」です。

そこで、さらに進化させたのがダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)です。

広告やWebサイト上で情報を発信し、何らかの返答(問い合わせ・注文など)があった消費者に対してのみ直接的に「商品(サービス)」を販売していく仕組みです。

情報発信とともに消費者の返答アクションを促す要素を含むため飛び込み営業といった完全なプッシュ型の営業手法とは異なります。

何らかの返答アクションを起こした消費者のみをターゲットとするため、非常に効率的で費用対効果が高いのが特徴です。

消費者側から「名前」「住所」「電話番号」を提供してもらうことで、さらに効率よく、商品を販売できるようになりました。

消費者の感情を「喚起させたり」「溢れさせたり」「動かしたり」とさまざまなテクニックによって揺さぶりをかける方法といえるでしょう。

そのため「DRM」は日本語では「感情マーケティング」と訳されています。

現在は、インターネットが浸透し検索エンジンやソーシャルメディアも進化しDRMは、さらに注目され効果的なマーケティングに向けて、以下の流れが生まれました。

効果的なマーケティングの流れ
【集客(リスト取得)】→【教育】→【販売】

集客とは?

Webサイトや広告を用いて、メールアドレス(リスト)を登録してもらうページに案内します。

訪問者に役に立つ「無料プレゼント」を提供し、その対価として「名前」や「アドレス」を登録してもらいます。

教育するとは?

メールアドレスを登録してくれた消費者に対し、メルマガなどで購買意欲を高めてもらうための教育を行います。商品やサービスの「価値」を感じ理解してもらえる顧客だけに価値を伝えていきます。

販売

教育のステップを経て、商品の価値を理解し、購買意欲が高まった見込み客のみ一歩踏み込んだ紹介(セールス)を行い販売につなげます。

この一連の流れが、売上創出のための、もっとも効率的なステップになります。

消費者の購買行動・心理プロセスに合わせながら最終のクロージング(セールス)まで持っていくことがとても重要となります。

では、マーケティング戦略とは?

経営や事業について戦略や計画を立てるのと同じく、マーケティングにも戦略が必要です。

戦略とは、売上目標に到達するまでの方針や道筋を指します。

具体的には「誰に対して・どのような価値を、どの市場で、どのように差別化して売るのか」を決めます。

戦略その1:顧客や市場、競合、そして、自社(自分)を理解する

マーケティングに欠かせないのが市場調査です。

その時の状況を適切に判断するために行います。

市場を知るときには、「3C分析」や「SWOT」などがよく使われています。

3C分析とは?

3C分析は、3つのCを分析します。

顧客(Customer)競合(Competitor)自社・自分 (Company)のことです。

【Customer】 消費者と市場(景気・法律(規制)など)を見ていきます。 どのようなニーズがあるか、市場規模や将来的な成長性、消費者がどのような購買活動をしているかなどを見ます。
【Competitor】 競合と業界内での動向を見ます。 競合企業はどんなことを、何を使って、どのように行っているのか、 そして、その効果や評価を見ていきます。
【Company】 自社だけが持つ経営資源を確認します。 顧客・市場に対する競合の対応と違う部分を探し「差別化ポイント」を見つけ出します。

ビジネス環境は刻々と変化しています。

業界の常識として見えていることを疑い、再度分析することで変えられ部分を見つけ出せれば、大きなイノベーションにつながることもあります。

SWOT分析

SWOT分析では、自社視点で内部と外部環境を把握できます。

強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の4つカテゴリで分析するものです。

3C分析で得た事実で、「何ができるのか」「どのように」まで具体的に落とし込むときに役立ちます。そして、一番のポイントは『強み…【内部】自社の強み』をどう活かすか、です。

強み (Strengths) 【内部】自社の強み
弱み (Weaknesses) 【内部】自社の弱み
機会 (Opportunities) 【外部】目標達成を助けるチャンスとなる要素
脅威 (Threats) 【外部】業界の変化や競合の動きなど目標達成の障害となる要素

さらに、精度の高い分析を行うためには「クロス分析」が必要です。

ここで最優先にする項目は「強み」と「機会」です。

自社・自分の「強み」によって「機会」を最大限に活用するためには、何をどのようにすればいいのか戦略を立てます。

戦略その2:顧客を決める(STP分析)

戦略の「誰に」を決めるためにはSTP分析が役立ちます。

STP分析とは

  • セグメンテーション(S: Segmentation)
  • ターゲティング  (T: Target)
  • ポジショニング  (P:Positioning)

のことです。

ひとつずつ確認していきましょう。

セグメンテーション(S: Segmentation)

すべての消費者が買いたいと思う商品やサービスはあまり存在しません。

たとえば、子供のいない家庭で子供の生活用品は不要ですし、常夏の地域では暖房器具のニーズは低いでしょう。

まず、市場を細分化(セグメント)して考えます。

よく使われてきた指標には、以下のようなものがあります。

デモグラフィック(人口統計的変数) 性別、年齢、家族構成、学歴など
ジオグラフィック(地理的変数) 国・地域、気候、文化など
サイコグラフィック(心理的変数) 価値観、ライフスタイル、価格ニーズなど
ビヘイビアル(行動変数) 購買頻度、追加、買替えのタイミングなど

現代は「心理的変数」や「購買活動の動向」などのセグメントがより重視される傾向にあります。

インターネット経由で分析要素の情報収集がしやすくなっていることも一因です。

市場全体をどのような指標を用いてセグメントするかは大事です。

業界、企業、商品によって変わってくることも大いにあり得ます。

消費者のニーズから自社の強みを活かして市場内で優位になるセグメントを見極めます。

ターゲティング(T: Target)

細分化(セグメント)した市場の中で、どのカテゴリをターゲットにするのか絞り込むのがターゲティングです。

つまり、誰に売っていくのかを考えます。

ターゲティングには3つのタイプがあります。

【非差別化マーケティング】
あえて市場を区別や細分化せずマス・マーケティング的に行っていくものです。

たとえば、万人対象になりやすい「食品」などには取り入れられることが多いかもしれません。

大きな市場を狙うので、大量生産による規模の経済性を活用します。

【差別化マーケティング】
複数のセグメントの個々の特質やニーズに合わせて、製品や価格、販売手法を用意するものです。

異なるセグメントにそれぞれ合った製品を投入するので、それぞれのニーズを満たすことができるでしょう。

ただし、それぞれ異なる準備と対応が必要とされるため労力・コストはかさみます。

【集中化マーケティング】
あるセグメントのニーズを満たすことに徹底的に集中したマーケティングです。

つまり、ニッチになり非常に高い専門性が求められます。

対象消費者の規模は小さくなりますが、注力することでコア層の確実な反応を狙います。

自社製品のポジショニング(P: Positioning)

企業が市場に製品やサービスを提供するとき、たいていは同じような商品やサービスを扱う企業が存在します。

ポジショニングとは、自社の製品が競合企業と比較した場合、どの部分(ポジション・立ち位置)であれば自社製品の魅力が引き出され優位に立てるかを見つけることです。

ポジション・立ち位置とは、たとえば、他社より「早い、安い、近い、豊富さ、簡単、知名度、機能性、ブランド力、評価・評判、実績の多さ、」など多岐に渡る項目が挙げられるでしょう。

ターゲット層がどのようなポイントに魅力を感じるかという軸の見極めが重要になります。

過去の経験や実績などをもとに「なぜ自社の製品が選ばれるのか」を考えます。

違う見方をすると、このポジショニングプロセスを通して、顧客のニーズに対し、自社がどんなポジションをとるべきかを考えることともいえるでしょう。

戦略その3: どんな「価値」を提供するか

自社がターゲット顧客に対し、どのような価値を提供するかを考えます。

まず、中心的なターゲット層の細かい分析を行います。

・どのようなニーズを持っているのか
・購買スタイルの特徴
・どのような価値観を持っているのか
・どのようなメリットを求めているか

それらに対して、提供する価値、提供できる価値を考えます。

・顧客のどのような課題を解決するのか
・顧客が購入するメリットは何か
・競合製品・他のサービスとどう違うのか(差別化)

コトラー氏がいうところのマーケティング4.0に突入した時代です。

企業が提供する価値が、顧客が求める価値、つまり、自己実現の欲求を満たし叶える商品・サービスであるかどうかが一致しなければ購買の創出は難しいでしょう。

戦略その4: マーケティング・ミックス(4Pと4C)を使う

前項の「顧客にどのような価値を提供するか」を考えるときに役立つのがマーケティング・ミックスです。

複数のマーケティングツールを組み合わせて、分析を深めていきます。
代表的なものには、4P4Cがあります。

4P(企業目線)

製品(Product) 品質、デザイン、ブランド名、パッケージ、サービス、保証
価格(Price) 標準価格、値引き、リベート、取引条件
流通(Place) 店舗の営業日、営業時間、注文方法、問い合わせ方法、決済方法、リサーチ方法、販路
販売促進(Promotion) 販売促進、PRをするための手段

たとえば、10代向けの商品で、数万円の価格帯は見合いません。

支払い方法にカード払いは除外し、現金購入で手に入れやすい方法をとります。

プロモーションではTVや新聞・広告などによる宣伝よりも、SNSや動画で拡散を狙った手法を取り入れる戦略を考えます。

すべてのPの項目がターゲット顧客に適している必要があるのです。

4C(顧客目線)

顧客にとっての価値(Customer Value) メリット、悩みの解決
顧客が負担する費用(Cost) 節約できる金額や時間、あるいは避けられるリスク
顧客にとっての利便性(Convenience) 可能な限り早く、手間をかけずに製品情報や製品を入手できる方法
顧客とのコミュニケーション(Communication) 双方向のコミュニケーションを生み出す手段

4Cで見る内容は4Pと変わりません。

しかし、4Pが適切かどうかを測るとき4Cの「顧客目線」で各項目同士を確認する重要性が増します。

各項目同士を照らしたときに、それぞれのバランス・整合性が取れることが大事です。

セットで確認することでターゲットに対し、より精度の高いマーケティング戦略が策定できるのです。

まとめ

今回は、マーケティングについて解説しました。

マーケティングの歴史と活動の移り変わり、マーケティングの種類・戦略、そして、現代に求められるマーケティングのことが少しクリアになりましたか?

企業運営におけるマーケティングの価値は今後も更に上がっていくと思います。

デジタルやIT技術は今後、AIなどの活用でさらに浸透し、ビジネスの形が変わればマーケティングの定義もまた今とは異なるものになっていくことでしょう。

市場や顧客ニーズ、そして、マーケティングの情報を常にアンテナを張りながら知識をアップデートしていき、よりよい社会を作り上げていきましょう。

 

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