コーチングで効果的な質問とは?よく使う質問例10個を紹介します
- コーチングの仕事をしているけれど、クライアントに対しどのような質問をしていいのかわからない・・・
- どのようにコーチングすればクライアントから信頼してもらえるのだろうか・・・
このように悩んでいませんか?
コーチングはやり方ひとつでクライアントからの信頼を失うこともあり、クライアントから深い信頼を得るためには「傾聴」と「質問」のスキルがとても重要です。
「傾聴」と「質問」のスキルが高ければクライアントからの信頼を得られコーチングビジネスも上手くいきます。
そこで、今回の記事ではコーチングにおける「質問」についてお話しします。
また「質問スキル」をアップさせるセルフコーチングについても解説していきますので最後までお読みください。
目次
コーチング 質問と一般的な質問の違いとは?
コーチングにおける質問と一般的な質問は違います。
普段、日常生活でする質問の多くは「自分が何かを知るため」に行っているのに対し、コーチングの質問はクライアントの頭の中の整理や気づきを与えるために行います。
一般的な質問 | コーチング 質問 |
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コーチングする際、悩み解決や問題解決のためクライアントに対し「質問」をし、問題点はどこにあるのか、解決の糸口は何なのかを知る必要があります。
コーチングビジネスの世界ではコミュニケーション能力の一つ、質問スキルを「質問力」と言い、質問力の高さがコーチとしての力量を決定してしまうと言っても過言ではありません。
クライアントの信頼を勝ち取るための「質問力」を高めることがとても重要になるのです。
一般的な質問は「自分のため」に行い、コーチングの質問は「クライアント(相手)」のために行っていると覚えておきましょう。
コーチングで効果的な質問例10個
コーチング質問で大切なことはクライアントに考えさせ「気づき」を促すことです。
クライアントが「あっ!そうか!」と、気づいてくれることで自ら答えを出そうと動いてくれれば、コーチは問題解決まで誘導してあげるだけです。
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コーチングセッションにおけるクライアントへ「気づきを促す」効果的な質問10個について説明します。
1 | 話の掘り下げ | 今の答え以外に考えられることはありますか? |
2 | 具体化 | それは具体的にいうとどういうことですか? |
3 | 仮定 | 例えば現状が違っていれば答えはどのように変わっていたと思いますか? |
4 | 現況の制限の把握と拡大 | 問題解決で障害になっていること、制限されていることは? もし、制限がなくなれば解決できますか? |
5 | 問題解決後の未来へ意識を向ける | 問題解決・目標を達成するために何をすれば良いと考えますか? |
6 | 現状の数値化 | 問題解決・目標達成を100%とすると現在は何%くらいですか? |
7 | 問題解決後の未来を想像させる | 問題解決・目標達成後の自分はどうなっていると思いますか? |
8 | 客観的視点で考えてもらう | 現在の状況を客観的に見た時、問題はどこにあり、 それを解決するには何をすれば良いと思いますか? |
9 | 深層にある本音を聞き出す | 現在の悩みの本当の原因はどこにあると思いますか? 問題解決後の未来は心から望む理想の未来ですか? |
10 | 思い込みからの解放 | 今、行動を制限している原因は何ですか? なぜ、自分にはできないと思いますか? もし、自分がすべて実現可能な状況なら問題解決は可能だと思いますか? |
コーチング質問の進め方は順番通りに行うことが大切であり、順番を間違えるとクライアントが混乱し、自らの答えにたどり着くのが難しくなります。
また、コーチング質問のコツは「クライアント(相手)のために行っているという意識」を持ち、決して追い込むような形にしてはいけないということを心に留めおきましょう。
効果的な質問の種類
コーチングにおける効果的な質問の種類は大きくわけて4つあります。
1.目標の洗い出し
クライアントは悩みを解決したい、希望を実現したいと思っていても具体的に何から手をつけて良いのか迷うことが多いためコーチングの最初の質問として「目標の洗い出し」から始めます。
目標は制限を設けず、顕在・潜在意識にあるもの全てを洗い出すようにします。
目標洗い出しのための質問例
- 他に何かありますか?
- 制限なく何でも達成できるとしたら何をしますか?
- お金があり自由に使えるなら?
2. 目標達成したいものに絞る
次の質問では目標を絞り込みます。
目標を絞り込むことでクライアントが本当に実現したい目標が見えてきます。目標の絞り込み方法として、ジャンルや種類、共通点などに分け同一の目標を統合していき、優先順位の高いものに絞り最終目標を設定していきます。
目標達成したいものに絞る質問例
- 目標の中で特に達成したいものはどれですか?
- 目標の中で今、話したいと思うものはどれですか?
3. 目標達成までの行動イメージを深める
目標を絞りこめたら「目標達成」のために何をすべきかを5W1Hを活用し具体化していきます。
「5W1Hによる目標イメージの深め方」
- どのようなきっかけで?(Why)
- どのくらい?(How)
- いつまでに?(When)
- 誰と?(Who)
- どこで?(Where)
- 具体的に何を?(What)
- どのように?(How)
5W1Hを活用する場合、Whyの使い方で注意して頂きたいのが「なぜ?どうして?」という質問です。
なぜ、どうして?という質問は「責める」形になり、クライアントにプレッシャーを与え追い込んでしまう可能性がありますので「Why」の使い方には十分注意しましょう。
4.目標達成後のイメージを持たせる
コーチング質問の最終段階では、クライアントに目標達成後のイメージを持ってもらうことを意識します。
目標達成後の未来を想像してもらい、その未来を実現するために何をしなければならないか、どのような行動をすればいいのかを映像化できるレベルまで具体化させる必要があるのです。
「目標達成後のイメージを持たせる質問例」
- 目標達成したらどんな気持ちになると思いますか?
- 目標達成したら何がしたいですか?
- 目標達成できたらどんな人生が待っていると思いますか?
- 目標の中で今、話したいと思うものはどれですか?
コーチング質問の種類を十分に理解し、順番通りに進めていけば高い確率でクライアントは目標達成までたどり着けることでしょう。
また、コーチングセッションの状況に合わせ、自分なりに効果的な質問を作り上げることができればクライアントからの信頼もより一層高くなりますよ。
コーチング 質問の仕方
コーチングの質問の仕方はクライアントが自ら考え、答えを出せるようにしてあげることです。
一般的な質問は質問者自らの情報を取るために相手に「知りたい内容」について質問しますが、コーチング質問はクライアント(相手)の心や頭の中を整理するために行います。
例えば「ある事柄の内容について知っていますか?」という質問は一般的な質問ですが「この事柄について、あなたはどう思いますか?」という質問はコーチング質問になります。
クライアントはコーチの質問に対し「この事柄」について考え、頭の中で整理し答えを見つけようとするわけですね。
また、コーチングセッションにおいてクライアントへ質問する際はいくつか注意点があります。
【コーチング質問における注意点】
- コーチの主観を入れてはいけない
- 質問の答えを誘導してはいけない
- クライアントを責めるような質問をしてはいけない
人により「自分の答え」を持ち相手に質問するケースがあります。
主観を入れた質問は自分の答えが正しいと認識させる行為になるため、客観的な答えを導きだすことが難しくなるのです。
コーチの主観が入る質問は、クライアントが目標達成するための弊害になりますので注意が必要です。
クライアントに対しコーチは自分が考えている質問の答えを誘導してはいけません。
「そうではありませんか?」「こう思っていたのではありませんか?」などのような質問はクライアントの心の声・本音をかき消してしまいNGとなりますのでご注意ください。
ただし、クライアントの答えが分散しており「答え」をまとめてあげる場合にはこの限りではありません。
コーチングセッションではクライアントを責めるようなニュアンスの質問は避けてください。
例えば「なぜ、そうしなかったのですか?」「なぜ、できないのですか?」のような質問は、コーチが意識していなくてもクライアントは責められていると感じてしまうのです。
クライアントを責める、追い込むような質問はクライアントからの信頼を失う可能性が大きいため絶対に避けるようにしましょう。
コーチングセッションではクライアントの状況に応じ、質問の仕方を自在に変えていき、常にクライアントに考えさせる状態を作ってあげることが大切なのです。
コーチング 質問練習方法
コーチング質問は繰り返し練習することで精度が高くなりますが、クライアントがいない、もしくは少ない状況での練習は難しいかもしれません。
しかし、クライアントがいない状況でもコーチング質問の精度を高めていく練習方法があります。
コーチングセッションにて、スムーズにコーチング質問を実践できるのであれば何も問題ありませんがコーチングビジネスが上手くいかないコーチは質問の組み立てがまだ、できていない状況かもしれません。
そこで実践して頂きたいのが「セルフコーチング」です。
セルフコーチングはクライアントとコーチを「自分」で行うことであり、自らをコーチングする練習方法です。
セルフコーチングは自分を客観的に見ることができ、自らの思考・行動を見直すには最適な方法なのです。
セルフコーチング やり方
自らコーチとなり自分に対しコーチングすることを「セルフコーチング」と言い、コーチング質問も答えも自ら考えます。
セルフコーチングのやり方はクライアントに対するコーチングと同様に問題解決・目標達成のため「目標の洗い出し」から始め、クライアントとコーチを一人二役として質問と答えを交互に行います。
セルフコーチングのやり方はコーチがクライアントを導くスタイルに終始し、コーチ主導で行うことが大切なのです。
クライアントとしての立場はあくまで、コーチの質問に対し真剣に向き合い、頭の中・心の中を整理しながら目標達成の意志を強く持ちコーチングに臨んでいきます。
【セルフコーチングのやり方イメージ】
コーチ: 質問をする → クライアント: 答える・・・を繰り返しながら、問題解決・目標達成をめざしていきます。
セルフコーチングでは、コーチとクライアントそれぞれの立場を上手に切り替えながら自分でコーチングを進めていくことで、これまでの主観的思考から客観的思考で自らを見直すこともできるのです。
また、セルフコーチングはコーチング質問の組み立て方ができるようになり、自らの目標達成への足掛かりを作ることも可能になりますよ。
セルフコーチング 質問を実践してみる
セルフコーチングにおける質問方法は多少の違和感を感じるかもしれませんが、効果がとても高いため実践をおススメします。
優秀なコーチはあらゆる場面において軌道修正として「セルフコーチング」を行っており、自らの行動や思考を見直しています。
また、優秀なコーチはセルフコーチングに加え、クライアントに対しても数多くのコーチング質問を実践しているので「質問力」が高いのです。
現在、クライアント数が多くなくコーチング質問の機会が限られているのであれば、逆に今の状況をチャンスと捉え、セルフコーチングで「コーチング質問」を実践し「質問力アップ」を図りましょう。
まとめ:コーチング スキル 質問を習得しクライアントの信頼を勝ち取ろう
コーチングビジネスでは「傾聴」「質問」2つのスキルの高さがとても大切です。
「傾聴」スキルは「質問」なくして成り立ちませんので、クライアントの目標達成でのキーポイントは「コーチング質問」と言えます。
コーチング質問は状況に応じ、様々なパターンを用いクライアントを目標達成・問題解決へ導く必要があり、コーチとして日々、質問力スキルのブラッシュアップが不可欠なのです。
コーチ質問スキルをブラッシュアップする最適な方法「セルフコーチング」もコーチングビジネスの一環として取り入れるのも良いですね。
コーチングビジネスの核と言える「コーチングセッション」を成功させ、クライアントの信頼を勝ち取るために「コーチング質問」スキルを習得しましょう。
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