コーチングテーマの設定方法

コーチングテーマの具体例を解説|コツ・やり方もあわせて確認
 

コーチングでテーマ設定があるけどあまりよくわからないな

テーマ設定したあとはどうすればいいんだろう?

このように悩んでいませんか?

テーマ設定といわれても、抽象的すぎて何を決めたらいいのかわからないと思う気持ちもわかります。

ただ、テーマはコーチングセッションを進めていく上で、全てのベースになるのでとても重要なんです。

今回は、テーマ設定の方法から具体例、コツまで一挙に紹介していきます。

なぜコーチングでのテーマ決めは重要なのか?

なぜコーチングでのテーマ決めは重要なのか?

まず最初にコーチングにおけるテーマ決めの大切さについてお伝えします。

テーマはコーチング全体の方向性を決める土台であり、ゴールでもあります。

仕事・恋愛・家族…クライアントによって様々なテーマは、ふんわりしていたり抽象的だったりしますが、それをもとにセッションを重ね細かい目的や数値目標を決めていく必要があります。

テーマ決めはコーチングの道筋をつくるための重要なステップなのです。

またゴールが決まっていないと、クライアントは「その実現に向けた自身の成長度合」を実感しにくくなります。

そうなると、コーチングの効果を実感できずに契約解消に繋がることもあることを踏まえておきましょう。

コーチングのテーマを決める方法

コーチングのテーマを決めるセッションステップ

具体的なテーマ決めの方法は以下のとおりです。

  1. テーマ設定のルールを共有してブレインストーミング(ブレスト)する
  2. お客様の本当に取り組みたいテーマを絞る
  3. 取り組むテーマを決定する

前の項目でお伝えしたとおり、お客様が本当に取り組みたいコーチングの方向性を決めるために、テーマは重要なものです。

もし、ここですれ違いが起これば、継続依頼につながる可能性が低くなるので丁寧に決めていきましょう。

テーマ設定のルールを共有してブレインストーミング(ブレスト)する

テーマを決める際のコーチングセッションでは、テーマ設定のルールを共有してからブレスしてください。

テーマ設定のブレストのときは以下の2つだけを意識しましょう。

  • テーマを自由に発想してもらう
  • お客様が自身の発言に不安を感じないようにする

テーマ設定は方向性を決めるものなので抽象度がとても高いです。

ですから、お客様にもその点を伝えて自由に発想・発言できるようにしてください。

テーマを自由に発想してもらう

お客様が人生で取り組みたいテーマは複数あります。

よくある内容だと以下のようなものです。

  • 幸せになりたい
  • お金を貯めたい
  • 仕事を充実させたい
  • 自由になりたい

どんなお客様でも取り組みたいと思うテーマは無数にあるので、「できる・できない」の考えを一旦外してブレストしてもらいましょう

逆にこの段階で発想に制限をかけてしまうと、本当に取り組みたいテーマが見えなくなる恐れもあります。

もしお客様が発想に制限をかけてしまっている場合は、制限を外す質問をしていく必要があります。

制限を外す質問例

制限を外す質問例は以下のとおりです。

  • 他にどんな選択肢が考えられますか?
  • 思いっきり大胆になったらどんな選択肢が考えられますか?
  • もしも何でもできるとしたらどうしたいですか?

引用元:『コーチング・バイブル第4版』ヘンリー・キムジーハウス他著、東洋経済新報社

とくに最後のIFを使った質問(スライドアウト)をすると制限をなくし、お客様の視点を切り替えられるのでおすすめです。

より詳しく知りたい場合は以下の記事を読んでみるといいでしょう。

IF質問(スライドアウト)の例文を確認してみる

お客様が自身の発言に不安を感じないようにする

仮にお客様が「お金」という観点から、制限なく自由にテーマを発想すると次のような例がでてくるでしょう。

  • 儲けたい
  • 昇進したい
  • ビジネスをしたい

このようなブレストを繰り返していると、お客様自身が途中で「本当にこれでいいのかな?」と疑問に思ってしまいます

でも、「この段階」では大丈夫だと伝えてあげてください。

すると、コーチのガイドがあるので、お客様はどんどん自らの思いを口にしてくれるはずです。

もしここでお客様がテーマを出すのに困っていたら、先ほどの質問例を使って制限を外してあげたり、視点を変えてあげたりするといいでしょう。

ただ、このままではテーマが複数ありすぎて、本当に取り組みたいテーマがまだ見えません。

ですから、次のステップでは質問を使ってお客様の本当に取り組みたいテーマを探っていきます。

お客様の本当に取り組みたいテーマを絞る

お客様の本当に取り組みたいテーマを質問を使って絞り込んでいきましょう。

テーマの絞り込みをするには、少し制限をかけた質問をしていきます。

たとえば、「仕事」をテーマにしても、お客様の価値観によって次のように取り扱うべきテーマは変わってくるでしょう。

  • チャレンジングな人生を送っているお客様:ビジネスを成功させるのがテーマ
  • 今まで受け身な人生を送っているお客様:いい会社に就職するのがテーマ

とすると、お客様によって「お金」というテーマの分類は一緒でも、そこから派生する心から取り組みたいテーマは異なります。

ですから、人生や価値観を知ってお客様の本音を探っていきます。

本音を探るといっても質問例がないとわかりにくいと思いますので、まとめてみました。

お客様の人生や価値観を知るための質問例

お客様の生き方を知るための質問例を確認していきましょう。

  • あなたは人生の何を変えたいですか?
  • あなたはどういう時、うまく変化を起こせますか?
  • どんな時に行き詰まりを感じますか?

引用元:『コーチング・バイブル第4版』ヘンリー・キムジーハウス他著、東洋経済新報社

このように短い質問でお客様が心から望んでいることを浮かびあがらせます。

この際には質問するだけでなく、ツールを使ってお客様が人生の何に焦点を当てているのかを確認してもいいでしょう。

取り組むテーマを決定する

最後は取り組むべきテーマを決定するために、アイゼンハワーマトリクスを使います。

アイゼンハワーマトリクスで取り組むべきテーマを決めるときは、「重要かつ緊急ではない」ところを意識しましょう

たとえば、お客様の人生にお金が重要だと考えたら以下のように分類できます。

※もちろんこの他にもテーマは複数あります。

すると、取り組むべきテーマは「孫の代までお金で困らないようにしたい」となりますね。

テーマが決まれば、その後はゴールとターゲット(行動目標)を決めていきます。

一連の流れは以下の記事を参考にしてみてください。

テーマ設定から目標設定までの一連の流れを解説!

コーチングのテーマにおける具体例

コーチングのテーマにおける具体例

先ほどはお金のテーマでよくある事例をお伝えしましたが、他にもさまざまな内容があります。

そこで、以下にコーチングによくあるテーマの具体例をまとめました。

もちろん、ここに当てはまらないテーマもありますから、ご自身でどんなテーマがありそうか考えてみるといいでしょう。

仕事のテーマ

仕事は多くの方が思い悩むテーマです。

給料だけでなく、職場環境やスキルなどさまざまな悩みが出てきます。

  • 転職して年収をあげたい
  • 職場の人間関係を改善したい
  • 昇進してほめられたい
  • 仕事に充実感がほしい
  • 部下のマネジメントができるようにしたい
  • 仕事で圧倒的な成果を残したい

恋愛のテーマ

恋愛は一般的に女性が思い悩むテーマです。

入口は広く、多様なニーズがあることを覚えておきましょう。

  • 元カレと復縁したい
  • 新しい出会いがほしい
  • 運命の人と結婚したい
  • もっとまわりから愛されたい
  • 彼氏・彼女がほしい
  • パートナーとの関係を改善したい

家族のテーマ

家族のテーマは既婚男性と既婚女性両方が問題を抱えるテーマです。

お子さんからパートナーへの悩みなどさまざまな問題があって、解決すべき課題も複数あります。

  • 子どもが幸せに暮らしてほしい
  • 夫婦関係を昔よりも改善したい
  • 親戚関係のストレスをなくしたい
  • 専業主婦を卒業したい
  • 新しい夫婦の価値観を増やしたい
  • 子どもが勉強するようになってほしい

その他のテーマ

その他のテーマでは先ほどの項目で取り扱ったお金の他にも、生き方や行動を変えたいといったテーマもあります。

コーチングで取り扱うテーマは人の数だけ無数にあるので、お客様にいろいろな質問を投げかけて、深掘りしていきましょう。

  • 悪い習慣を変えたい
  • チャレンジできるようになりたい
  • 生き方を180度変えたい
  • ダイエットしたい
  • メンターになる人がほしい
  • 学ぶべきものを選定してほしい

コーチングで取り扱うテーマは2種類

コーチングで取り扱うテーマは2種類

ここまでさまざまなテーマがあるとお伝えしてきました。

その中でも大きく分けて、2種類のテーマがあることを覚えておきましょう。

  1. 長期テーマ
  2. 短期テーマ

この図のように、長期テーマの中に短期テーマが含まれています。

短期テーマをクリアし続けると、自然に長期テーマが達成できるとイメージしておくといいでしょう。

長期テーマは複数回のセッションを通して実現していくもの

長期テーマは複数回のセッションを通して、数ヶ月や数年かけて実現していくものです。

主にアイゼンハワーマトリクスを使って決めた、お客様の心から取り組みたいテーマが当てはまりますね。

たとえば、「お金」をテーマにした場合であれば、「孫の代までお金に困らないようにしたい」というのが長期テーマです。

このテーマを見れば、1回のコーチングセッションで終わるものではなく複数回にわたって取り組まなければならないなと理解できるでしょう。

短期テーマは1回のセッションを通して確認するもの

短期テーマは1回のセッションを通して確認していくものです。

毎回のセッションの話題と言い換えてもいいでしょう。

たとえば、先ほどの長期テーマを利用して短期テーマを考えると以下のようなセッションの流れが考えられます。

コーチ「では、今日はどんなお話をしましょうか?

お客様「以前決めた目標の『お金の勉強をする』についてですが、自分には勉強が難しく思っていて…

このように長期テーマから決めた目標設定に関する話題が、そのまま短期テーマになることもあります。

また、次のような場合も短期テーマになります。

コーチ「では、今日はどんなお話をしましょうか?

お客様「目標は全て達成しましたが、実は困ったことがあって…

この場合、「実は困ったこと」という言葉をそのままテーマにしてもいいです。

長期テーマと短期テーマ両方にいえますが、あくまでテーマ決めはお客様主導にしてくださいね。

ただし、あくまで短期テーマは長期テーマの達成のためにあることを忘れないでください。

このようにコーチングのセッションで、テーマを決めるコツはいくつかあるので、次の項目で紹介していきます。

コーチングでテーマを決めるコツ

コーチングでテーマを決めるコツ

コーチングでテーマを決めるコツは以下のとおりです。

  • お客様の考えに制限があれば外す質問をする
  • コーチングの期間によって取り組むべきテーマを変える

コーチングのテーマは自由に考える必要があり、毎回のセッションの中でも変わっていきます。

テーマ設定に迷ったら、ここに書いてあることを意識してセッションに臨むとお客様が本当に取り組みたいテーマをうまく引き出せるでしょう。

それでは、さっそく解説していきます。

お客様の考えに制限があれば外す質問をする

コーチングのテーマ出しはとにかく自由な発想が必要です。

それにもかかわらず、お客様の考えに制限があれば本当に取り組みたいテーマは出てきません。

ですから、お客様が自分自身で縛りをかけている場合には、コーチが質問でその縛りを解いてあげる必要がありますよ。

コーチングの期間によって取り組むべきテーマを変える

お客様が思い浮かべるテーマの中には、長い期間にわたって取り組まなければならないテーマもあります。

たとえば、今回のアイゼンハワーマトリクスだと「孫の代までお金で困らないようにしたい」といったテーマが長期間にわたって取り組むものに該当しますね。

もちろん、お客様がずっとコーチングを受ける予算と時間があるのなら、問題ありません。

しかし、通常は1ヶ月や2ヶ月、長くても1年といった期間でコーチングを受けられる方がほとんどです。

仮に期間内に価値提供ができないテーマであれば、リピートしてくれる可能性も低くなるでしょう。

ですから、お客様の都合に合わせながらテーマ決めを行い、価値提供ができるコーチングを目指してください。

コーチングのテーマがなかなか決まらないのはなぜか?

コーチングのテーマがなかなか決まらないのはなぜか?

「クライアントとのテーマ決めがなかなか進まず、とりとめのない会話になってしまう…」と悩むコーチは多いと思います。

テーマ決めがうまく進まない原因の1つとして、「クライアントがコーチングやテーマについてイメージできていない」というのがあります。

コーチングをする立場からすると、テーマ決めやコーチングの流れについて理解しているので、「話したいことを自由に話してテーマを決めていきましょう」という説明で済ませてしまいがちです。

しかしそうした端折った説明ではクライアントには伝わらず、「話したいことを自由に話す」=「友達とのおしゃべり」になってしまいます。

そうならないために、最初のセッションのときに

  1. テーマとは何なのか?
  2. なぜ、テーマを絞るのが大事なのか?
  3. なぜ、テーマをクライアントが決めるのが大事なのか?
  4. どうやってその日のテーマを決めるのか?

について、丁寧に「クライアント目線で」伝える必要があります。

「テーマとは、気になっていることやお悩みを出してもらって、それについて何をクリアにしたいのか、ゴールを決めることですよ。たとえば…」

のように、事例を出しながら説明することで、クライアントはぐっとイメージをつかみやすくなりますよ。

また、コーチングするうえで重要な信頼関係が築けているか・コーチとして過度にアドバイスしてしまっていないかなどについても見直してみましょう。

コーチングセッションでテーマを決めたら目標設定に移ろう!

コーチング目標設定シート

コーチングのテーマ設定はあくまで方向性を決めることです。

これだけで終わってしまえば、コーチングセッションからお客様は何も得られません

コーチングを通じてお客様の行動を変えるには、その後のゴール設定とターゲット(行動目標)設定がとても大事です。

仮に、テーマを「転職」にするなら以下のような目標設定が考えられます。

  1. ゴール設定:転職して年収を100万円アップする
  2. ターゲット(行動目標)設定:転職サイトに1週間以内に登録する

もちろんターゲットの設定は複数ありますから、あくまで一例です。

このように、テーマから徐々に深めてターゲットを決め、お客様の行動を促すのがコーチングです。

目標設定のやり方はこちらの記事で解説しています。

コーチングの目標設定方法を徹底解説!誰でも使える目標設定シート付き!

この記事では目標設定のやり方はもちろん、実際のコーチングで使える目標設定シートもダウンロードできます。

このシートを使えば、誰でもテーマ設定からターゲット設定まで一貫してコーチングできるようになるので、ぜひ活用してみてください。

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