【会話例で学ぶ】コーチング式タイプ分け診断の4タイプを徹底解説
人の悩みは、8割以上が「人間関係の悩み」だと言われます。
「あの人とはどうもうまくいかない…」
「仕事で成果を上げたいけれどチームワークに課題がある」
「相手のやる気を引き出すにはどうすればいいのだろう?」
などと、あなたも悩んだことがあるのではないでしょうか?
特に、毎日関わらざるを得ない相手とギクシャクしてしまう場合は、とても大きなストレスになりますよね。
この記事では、「コーチング式タイプ分け」を活用したコミュニケーションで、円滑な人間関係を築く方法についてご紹介します。
よくあるシーンでの会話例を交えながらわかりやすく解説していきますので、ぜひあなたの身近な人間関係に当てはめて考えてみてください。
目次
1. コーチング式タイプ分け診断とは?
コーチング式タイプ分け診断は、人の心理や行動をもとに「コミュニケーションのタイプ」を分類するための診断テストで考案したのはコーチングファーム大手のコーチ・エィです。
「タイプ分け」の目的は、単に「相手のコミュニケーションの傾向を見極めて上手く対応すること」ではなく「違いを理解し、相手に関心を持ってコミュニケーションすることでよりよい人間関係を築くこと」にあります。
どのようなタイプに分けられているのか、詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションの仕方を4つのタイプに分けて診断
コーチング式タイプ分け診断では、コミュニケーションのタイプを「コントローラー」、「プロモーター」、「サポーター」、「アナライザー」の4つに分けて診断します。
この4つのタイプ分けは、「感情表出」と「自己主張」の2つを軸をベースに分類されています。
誰もが「人はそれぞれものごとの捉え方や価値観は違う」ということを知っていますが、ほとんどの人は自分と相手がどのように違うのかあまり考えず、憶測でコミュニケーションをしています。
その結果、相手の反応が自分の予想とは違い、腹が立ったり変に苦手意識を持ったりすることもありますよね。
しかし、「タイプ分け」で4つのタイプそれぞれの特徴や違いを理解すると「この人の場合はこういうアプローチをした方がうまくいくかもしれない」などと仮説を立て、心に余裕を持った状態で相手と接することができるようになります。
「コーチング式タイプ分け診断」をうまく活用することができれば、スムーズに相手との信頼関係を築いたり、苦手な人と接する際のストレスを減らしたりすることが可能になるでしょう。
コーチング式タイプ分け診断はどこでできる?無料と有料の違い
コーチング式タイプ分け診断を受けるには、どうすればいいのでしょうか?
具体的かつ確実な診断は、コーチ・エィが運営するサイト「コーチ・エィアカデミア」の中にある以下のサイトから、有料で受けることができます。
また、コーチングのタイプ分けについて詳しく書かれた以下の本の中でも、簡易診断ができるようになっています。
図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく
しかし、コーチングのタイプ分けについてはかなり詳しい情報が公開されているため、無料でも、自分や周りの人がどのタイプかをある程度予測することが可能です。
次に、4つのタイプの特徴について具体的にご紹介しますので、まずはこれらを自分や周りの人に当てはめてみてはいかがでしょうか。
コーチング式タイプ別診断の4タイプ・特徴10個
コーチング式タイプ分け診断で使われる4タイプの特徴を、以下のサイトを参考にそれぞれ10個リストアップしました。
(参考:https://coach.co.jp/whatscoaching/20170821.html)
誰もが複数のタイプの特徴を持っているため、「アナライザー寄りのコントローラー」「プロモーター寄りのサポーター」など診断が難しい場合もあると思います。
しかし、ここでは当てはまる項目が最も多いものがその人のタイプであると考えてください。
リーダータイプの「コントローラー」
☐人の上に立って自分の思い通りにしたい
☐プロセスよりも結果が大事
☐頭の回転が速く効率を求める
☐行動力、決断力に長けている
☐頼りになる
☐競争心が強い
☐ストレートにものを言う
☐プライドが高く人に弱みを見せない
☐自己主張が上手
☐じっくり話を聴くのは苦手
ムードメーカータイプの「プロモーター」
☐人に影響を与え認められたい
☐明るく社交的
☐アイデアマン
☐おだてられると嬉しい
☐聞くより話す方が得意
☐行動力がある
☐新しいもの好き
☐喜怒哀楽が激しい
☐自由にやりたい
☐細かいことは苦手
陰の立役者タイプの「サポーター」
☐人の役に立つことに強いやりがいを感じる
☐目立つのは苦手
☐俗に言う「いい人」
☐人と一緒に何かをすることが好き
☐場の空気を読むのが得意
☐協調性がある
☐自分の気持ちを抑えがち
☐話すより聴くのが好き
☐共感力が高い
☐承認欲求が強い
学者タイプの「アナライザー」
☐数字に強く分析が得意
☐論理的でデータがないものは信用しない
☐情報を集めて慎重に決断する
☐冷静
☐緻密に計画するのが好き
☐何を考えているのかわかりにくい
☐共感力が低い
☐完璧主義
☐まじめで頑固
☐変化に弱い
4タイプのうち、どのタイプの傾向が強かったでしょうか?
それぞれの特徴を見ているうちに「あの人はこのタイプかもしれないな」と身近な人の顔が浮かんできた人もいるかもしれませんね。
【タイプ別会話例】円滑な人間関係を築くコツ
誰もが知る通り、良い人間関係を築く基本は、相手が喜ぶことをし嫌なことをしないことです。
しかし厄介なことに、何を嬉しいと思い、何を嫌だと思うかは、人によって異なる場合も多くありますよね。
タイプ別の特徴を踏まえ、どのようなアプローチをすればコミュニケーションがうまくいくのか、会話例と共に見ていきましょう。
ある会社でプロジェクトマネージャーをしている女性を例に、チームメンバーそれぞれに合った「モチベーションを上げるほめ方」と「失敗に対するフィードバックの仕方」をご紹介します。
相手がコントローラーの場合
コントローラーにとって大切なことは、「結果を出すこと」「主導権を握ること」なので、これらを客観的に評価することが、ほめるときのポイントです。
逆に、「よくやった」「すごいじゃない!」などの上から目線のほめ言葉は、コントロールされていると感じるため、絶対に使わないようにしましょう。
- モチベーションが上がるほめ方の例
「もうすぐ売り出す商品、販売予約数が過去最高になったわ!あなたに任せたプレゼンテーションの影響が大きいって社長も感謝してた。今後も頼むわね!」
「それは嬉しいですね。今度は更に結果を出せるようにがんばります!」
向上心や目標達成の意欲が高いコントローラーは、失敗に対しては比較的強いタイプです。
他者から何も言われなくても自分の中で反省し、原因を考え、改善策を見出すため、多くを言う必要はありません。
信用し期待していることを、サラリと伝える程度でよいでしょう。
- 失敗に対するフィードバックの例
「失敗するなんて珍しいわね。でもあなたならきっと次に活かせるわ。期待してるわよ」
「…はい、次は必ず成功させます!」
相手がプロモーターの場合
プロモーターは、自分が周りにどれだけ注目され影響力を与えることができているかを重視し、細かいことはあまり気にしません。
単純な言葉でも、興奮気味に賞賛するととても喜ぶため、大げさだと思うくらいの勢いでほめてあげましょう。
- モチベーションが上がるほめ方の例
「あなたが出してくれたアイデア、最高!こんなの思いつくなんて天才だわ!社長もほめてたわよ!次の企画も頼むわね!!」
「えっ、本当ですか!?嬉しいなぁ!実を言うとちょっと自信があったんですよね!次も任せて下さい!!」
人に認められたいプロモーターは否定されることにとても弱く、大きくモチベーションを下げてしまう原因になります。
また、細かいことを考えない性分のため、失敗の原因究明をしたり、改善策を考えるのも苦手です。
失敗を指摘する際は、できていたことを認め、どうすればよかったのかをこちらから提案してあげるとよいでしょう。
- 失敗に対するフィードバックの例
「アイデアはよかったわ、みんなも面白いって興味を持ってたもの。ただ、ターゲットが少しズレていたかもしれないわね。今度はもう少し詳しくリサーチしてからやってみたらどうかしら?」
「いけると思ったんですけどね…ターゲットかぁ、言われてみれば確かにそうかも。」
相手がサポーターの場合
サポーターは、調和が保たれるように目立たないところで気配りをしており、場合によっては自分を後回しにして周りを優先します。
口では言いませんが、その陰の努力を認めてほしいと思っているため、こまめに感謝や労いの言葉をかけてあげたり、人の役に立っていることを伝えてあげたりすることで気持ちが安定し、よりがんばろうと思うタイプです。
- モチベーションが上がるほめ方の例
「今回のプロジェクトは、あなたが裏でチームメンバーを支えてくれていなかったら、成功しなかったと思うわ。あなたがいてくれて本当に助かってる。ありがとう!これからもよろしく頼むわね。」
「そんな、私は何もしてません。でも…そんなふうに言っていただけて嬉しいです。お役に立てるようにがんばります!」
人間関係を大切にすることはサポーターの強みですが、弱みでもあり、人から責められたり嫌われることを非常に恐れるタイプです。
失敗に対するフィードバックをするときは、ストレスを与えすぎないよう、先に話を聞いてあげるなどの丁寧さが必要です。
できていることを認め、さらに寄り添うような言葉を添えながら伝えると安心して受け入れてくれるでしょう。
- 失敗に対するフィードバックの例
「あなたの気配りにはいつも感謝してるわ。それにしても今回は残念なことになったわね…でも誰だって失敗することはあるわ。なぜこうなったのか、あなたの考えを聞かせてくれる?」
「あの日、体調不良で休んだAさんの代わりに私が作業していました。やり方は教えてもらったのですが、慣れない作業ですごく時間がかかってしまって。焦って作業工程が1つ抜けてしまったんです…それでこんなことに。申し訳ありません!」
「大変だったわね。自分の仕事があるのに、彼女の分までやってくれるところがあなたらしいわね、ありがとう。でも、1人で何もかも引き受けるのは限界があるんじゃないかしら。これからもおそらく似たようなことは起こるわよ。何かいい案はある?」
「そうですね…1人でやらずに、できる人が手分けしてやれば良かったと思います。皆忙しいのはわかってるので言い出せなかったんですが、今後はそうするようにします。」
相手がアナライザーの場合
アナライザーは、強みである正確さや分析力の高さ、計画性などを具体的に評価してあげると、「この人はわかってくれる人だ」と感じ信頼関係が深まります。
「さすが!」「すばらしい!!」などの根拠のないほめ方は、からかわれているように受け取られ逆効果になってしまうため、避けましょう。
- モチベーションが上がるほめ方の例
「昨日、あなたにやってもらった競合調査のまとめを経営会議で報告したんだけど、『よくここまで分析できたね』と感心していたわよ。あなたの正確さと分析力の高さには本当に頭が下がるわ。次の案件もお願いね。」
「へぇ、それはよかった。1つ不明確な数字があって気になっていたんですが、大丈夫でよかったです。」
一方、慎重で完璧主義のアナライザーが失敗してしまったときは、受け入れたくない気持ちが人一倍強くなります。
また、順序だてて正確に説明したいタイプのため、結論を急がせると焦ってしまいます。
失敗に向き合う必要性を伝え、時間を与えて本人に考えさせると、わかりやすくまとめて報告してくれるでしょう。
- 失敗に対するフィードバックの例
「今回の失敗の要因は何だったのかしら?慎重なあなたが、つまづくくらいだもの。他の人も同じ失敗をする可能性が高いと思う。だから今後のためにも、原因と対策をよく考えてみてほしいの」
「すみませんでした。今回の失敗は、ええっと……」
「今すぐじゃなくていいのよ。3日以内に報告してもらえるかしら。」
「わかりました」
苦手なタイプと無難に付き合うためのポイント
「もっと関係を深めたい」という相手がいる一方で、「全く関わらないわけにはいかないけれど苦手。関係を悪化させることなく無難に付き合いたい」という相手がいる人も多いのではないでしょうか。
苦手な相手と無難に付き合うために、気を付けたいポイントをご紹介しましょう。
相手がコントローラーの場合
自分の思った通りにものごとを進めたいコントローラーと穏便に付き合う秘訣は「口出しせずに従うこと」です。
とはいえ、どうしてもコントローラーのやり方に賛同できないこともあるでしょう。
その場合は、本人が尊敬している人から伝えてもらうことをおすすめします。
また、コントローラーは直接的な表現を好み、相手が回りくどい言い方をしたり、小さな声でモゴモゴ話するとイライラするため、単刀直入に伝えるようにしましょう。
相手がプロモーターの場合
プロモーターは自己主張度も感情表出度も高いため、良くも悪くもわかりやすいタイプです。
普段はムードメーカーで楽しい人ですが、機嫌を損ねてしまうと言葉や態度が攻撃的になりやすいという点においては、注意が必要です。
アイデアを否定しないこと、会話の際にしっかり相槌をうつ、質問する、オーバーに褒めるなど、わかりやすい反応を示してあげることが、無難に付き合うポイントになります。
相手がサポーターの場合
サポーターは、調和を大切にし周りの期待に応えようとするため、表面的には付き合いにくさを感じることはまずないでしょう。
しかし、嫌なことを頼まれても笑顔で引き受けてしまうような本音が見えにくいタイプであるため、ストレスを溜め込みすぎて爆発しないよう注意が必要です。
「自分の苦労をわかってほしい」、「頑張ったのだから感謝してほしい」という気持ちが強いのに理解されない状態が続くと、ある日突然退職届を出したり、精神を病んだりといったことになりかねません。
これまでにもお伝えしたように、普段から労いの言葉をかけたり、感謝の気持ちを伝えてあげるとよいでしょう。
相手がアナライザーの場合
アナライザーは、正しさや完璧さをとても大切にするタイプなので、根拠のない意見や話を嫌います。
浮ついた頼りない提案をする人、感情的にものごとを判断する人、オカルトのような非科学的な話をする人に対しては、「この人とは関わりたくない」と心を閉ざしてしまいます。
そのため、アナライザーに依頼したり意見を伝える時は、理由やデータを明確に示すようにしましょう。
はたから見ると何を考えているのかわかりにくいですが、黙っていることが多いからといって怒っているわけではないので、変に気を使う必要はありません。
コーチング式タイプ分け診断で自分と相手の個性を知ってコミュニケーションに役立てよう
「コーチング式タイプ分け」についてご理解いただけましたか?
「タイプ分け」で相手に関心を持つことで、コミュニケーションの幅が広がり、より良い関係を築くことができます。
タイプを見極めるだけで終わらず、ぜひ今後のコミュニケーションに活かして下さいね。
あなたの人間関係のストレスが減り、大切な人とはさらに良い関係が築けますように!
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