コーチングは意味がない?5つの理由と本当にコーチングが必要な人とは?
「コーチング」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
- 何それ?
- よく分からないもの
- 受けても意味がない
- 役立たない
といったネガティブな意見や声が多く聞かれます。一体、なぜでしょうか?
この記事では、その理由とコーチングが本当に必要な人について、コーチングを受けても効果が出にくい人、また、コーチングを受けるメリットや価値について詳しくご説明いたします。
目次
コーチングは受けても意味がない・無駄だと思う5つの理由
最初に、なぜ、コーチングは受けても意味がない・無駄だと思うのか5つの理由をご説明します。
クライアントが変わりたいと思っていない
まず、コーチがクライアントになりそうな方に対して、コーチングを勧めたりセールスを行いますが、その際、誤った対象にセールスをしていることが多いといえるでしょう。
例えば、
- 現状、何か困っていることを解決したいとは思っていない
- その困っていることが何なのか自覚がない
- 自分が変化することを望んでいない
- 現状維持でいい
このような対象者に、コーチが解決手段である「コーチング自体」を強く勧めてしまうことがあります。
その場合、あまり馴染みがなく、よく分からない「コーチング」というサービスを強引に売られ、高額の金額を支払ってしまったという「不信感」が生まれやすいでしょう。
コーチングは言葉だけで交わされる為、最終的に得たものが目には見えません。一体何だったのかよく分からないと、結果、無駄だと思ってしまいます。
あなたが自ら変わりたいと思っていない場合は、強く勧められても丁寧に断りましょう。
また、コーチング手法を使ってコーチがどのような内容を提供するのか具体的に詳しく説明してもらいましょう。
クライアントの精神状態が安定していない
クライアントが今よりも「どう変わりたいのか」を明確にするために、コーチングでは、クライアントの本音や考え・感情を引き出します。そのため、深層心理の点で正面から向き合う場面が増えます。
苦しい現状を変えて前に進むためには、真正面から見たくない嫌でネガティブな面をクライアントが受け入れる必要があるため、精神的な負担がかかります。
その時の精神状態がコーチングを受ける時期やタイミングなのかを一度、見極めましょう。
クライアントが変化の前に辞めてしまう
コーチングを受ければ、一瞬で劇的な変化が起き「幸せな未来」があると簡単に思い込んでいる方や、残念ながら、そのようなセールスをしてしまうコーチも少なくありません。
人間は生まれてから今に至るまで長い年月をかけて身に沁みついてしまった「習慣」が誰にでもあります。それは、認知、意識や行動、価値観に結びついて「今」に至っていますので、人が「変わる」には、クライアントの強い動機とエネルギー、時間を要します。
つまり、今までと違う「行動」が必要になるので、クライアントにとっては負荷や痛みが必ず伴います。
だからこそ、クライアントが変化するまで継続的にサポート・併走してくれる存在の「コーチ」がいます。
しかし、互いにこの理解が十分に共有できていなかったり、クライアント一人で頑張りすぎて抱えこんでしまう方もいます。
「目指すゴール」が何なのかを明確にし、そのために必要なサポートをコーチにしっかり求めるようにしましょう。
クライアントにとって重要だが緊急ではない
人が生きていくために、重要で優先順位の高い必要不可欠なものは何でしょうか?
衣・食・住、健康、お金、仕事、趣味、友人、パートナー、家族、育児、ペット…
一日24時間のうち、何に、どれだけの時間を割いていますか?一週間では、どうでしょうか?1ヶ月なら・・・クライアントのライフスタイル・人間関係によって、それぞれの「重要度」や「優先順位」は違います。
明らかなことは、多くの人にとって、お金を払ってまで「コーチング」を受けなくても生きていける、ということです。
「悩み=痛み」を常に抱えており「重要なことかも」と薄々気付いてはいるものの、これまでどうにかなってきたのだから「緊急性はないだろう」と思っているかもしれません。
このように「緊急性がないから、今、わざわざ受けても意味がない」と先延ばしするケースが多いようです。
以前からずっと続いている「その悩み・痛み」は本当に「重要」なのか今一度見つめ直してみましょう。
「今ではない」が繰り返される度、永遠に「重要な課題」は残り続け、貴重な時間だけが過ぎてしまうかもしれません。
クライアントとコーチとの信頼関係が不安定
コーチのスキルや質問力も関係しますが、クライアントにとってコーチとのセッションの場が心理的な「安心安全」な場でなければクライアントが抱えている悩みや痛みの本質・原因にたどり着くことができません。
思い切ってクライアントが本音や本心を打ち明けてもコーチの価値観を押しつけて誘導するような質問や判断・批判をされた、というケースもあるようです。
コーチングは「言葉」のみで交わされますので、互いが発する言葉の定義・前提が食い違うと意味や理解の解釈にズレが生じることもあります。
食い違うような場面があるときは遠慮せずに伝え、互いのズレやミスコミュニケーションをクリアにしておきましょう。
本当にコーチングが必要な人はどんな人?
では、本当にコーチングを必要としている人とは、どんな人なのでしょうか?
それは、ずばり、クライアント自ら「変化」を希望し「行動」に移そうとしているが、何から始めていいか分かず困っている人です。昔からずっと今に至るまで、困っていることや悩みごとに直面していて、自分でどのように解決していいか分からず「痛み」を感じ続けている人です。
人はつい何か困難な状況に陥ると、誰かや何かのせいにしたくなりますね。
しかし、相手や突発的な何かが起きることを予めコントロールすることは不可能です。
どんな状況でも、何が起きても、自分自身の基礎となる「ファゥンデーション」(これは「土台」「自己基盤」という意味)が多少ぐらついても、舵を取って前に進もうと自分自身を変化できる人、変化できる人になることを自ら望んで行動に移そうとしている人こそ、コーチングを必要としている人ではないでしょうか。
残念ながら、誰かや何かに「してもらうこと」で変化する、という他力本願がクライアントの気持ちのどこかにあるとコーチングの効果はあまり功をなさないと言えるでしょう。
【メリット】コーチングを受けて得られる3つのメリット
次に、コーチングを受けて得られる3つのメリットについて、ご説明いたします。
俯瞰的な視点が得られ「気づき」やすくなる
コーチングで、コーチから様々な角度で質問がされます。
質問を経ていくうちに、クライアント自身でも「自問自答」のセルフコーチングができるようになり一歩引いた視点で自分自身を見ることができるようになります。
結果的に、俯瞰的な視点が得られるようになり「気づき」も得られやすくなります。
「自分」という人間を深く理解することができる
コーチとのセッションでは「本当はどう感じ、どう思っているのか」本音を少しずつ自己開示していきます。
時には、無意識の思い込みが引き出されることでネガティブな感情や思考に気づいてしまうことがありますがコーチングでは「良い・悪い」といった判断・批判は一切しません。
どんな物事にも「良い・悪い」という判断は、一方的な立場からの視点や、時代の社会通念や一般的常識など大多数の価値観によって判断されています。
コーチングでは「なぜ、クライアントがそう思い行動するのか」という心理的背景やその人の価値観を解明していきます。そこで、「良い・悪い」といったジャッジはせず様々な価値観や捉え方があることに気付くでしょう。
つまり、自分はどういう人間なのかを深く理解することができ、ありのままの自分を認めることが自信にもつながるでしょう。
併走・サポートしてくれる存在がいる
人は悩み「変化」を自ら望んでいる時、2つの「痛み」を抱えます。
1つ目は「自らを変えられない痛み」と、2つ目は「変わることで生じる痛み」です。
前者は、何か悩み・問題があり変化しようとするも前段階で妨げている「何か」です。自分のことを自分で客観的に見ることは不可能ですから、第三者の視点が必要になります。
後者は、自分を苦しませている原因や痛みの正体が分かったあと、変化するための過渡期で起きる「痛み」です。
長い年月をかけて築き上げて身に沁みついた無意識の習慣や価値観を自ら意図的に意識し「変化」させることは簡単ではありません。
だからこそ、コーチはクライアントが直面する2つの痛みに寄り添いながら、乗り越えた先にある「変化」のために一緒に併走・サポートしてくれる心強い存在になります。
【デメリット】コーチングを受けても効果が出にくい人とは?
では、コーチングを受けても効果が出にくい人とは、どんな人でしょうか?
それは、現状全てに満足していている人に「コーチング」は効果がなく、意味がないといえるでしょう。
つまり、現状の喜びを脅かす「脅威」となりデメリットになります。
ここで、ペイン・プレジャー・マトリックスについて解説します。下の図をご参照ください。
これは、グローバルインパクト代表パートナーの船川 淳志氏によって考案されたフレームワークのことで、以下、船川氏の著書でも紹介されています。
主に企業の組織改革の際、参考にされるフレームワークですが、コーチングによる「変化」についても同じことがいえます。
人は、A「変わることによる痛み」とD「変わらないことの喜び(現状維持)」が大きいと変化は起きにくい一方、B「変わることによる喜び」とC「変わらないことによる痛み」が大きいと、変化が起きやすいといえるでしょう。
つまり、「 A + D < B + C 」の状態に近づくと、変化に対する納得感が高まり、設定したゴールに近づくことができるでしょう。コーチングを受ける前に、直面している問題について再度、整理しておきましょう。
C: 私が変わらないことによる痛みは、何なのか
A: 私が変わろうとした際に生じるであろう痛みは、何なのか
B: その痛みを乗り越えた先に、どんな変化が起き、望む「喜び」があるのか
そして、表にあるD「変わらないことの喜び」を多く感じている人にとって、コーチングは受けても効果がないでしょう。
D「変わらない・現状維持の喜び」より、A「変化による痛み」が勝る変化は、現状の喜びを脅かす「脅威」となりデメリットになるからです。そのような人にとって、コーチングを受けても効果はあまりないといえるでしょう。
コーチングの「価値」とは?
コーチングがもたらす価値とはすばり「変化」です。
変化することは、とても難しいことです。
世の中を見渡してみると、すでに築き上げられてしまった長年の慣習、制度、仕組み、価値観など何かを「変える」ことは難しいことです。
一人の人間も同様、生まれてから今に至るまで、すでに出来上がっている自分自身にもう一度、問いかけて「変化」することをたった一人で行うことは至難の業です。
コーチングを受けた人の意識、思考、行動が変わることで、たった一人の変化が二人、三人と周囲に影響を与える可能性を秘めているのではないでしょうか。
これこそが、コーチングの「価値」ではないでしょうか。
まとめ:コーチングは「受けるべき人」にとっては意味があり、役立つ!
コーチングは受けるべき人にとっては大変意味があり、価値あるものです。
「変わる」ことを選択することは、とても勇気のいることです。
「変化すること」には必ず大きな痛みがあり苦労も伴います。だからこそ、最後までサポートしてくれるコーチの存在はとても重要になります。
一人でも多くの方が、ビジネスやプライベートで人生の困難や直面している問題解決にコーチングが役立つよう願っています。
コーチングを受けてみようと決意する際、コーチに解決してもらう「受け身の姿勢」ではなく一緒にどう解決していこうかという「主体性」も忘れずに、是非、コーチングを活用してください!
【関連記事】