コーチングの質問リスト|質問の仕方や考え方も解説
「コーチングの質問リストがほしい!」
「コーチングでどんな質問をすればいいかを知りたい!」
こんなお悩みを持っている方も多いでしょう。
コーチングの質問って本当に難しくて、どんなタイミングで切り出せばいいかや、どんな質問をすればいいのだろうと悩みますよね。
コーチとして独立して10年以上経つ私(田中直子)でもいまだに悩みます…
そこで、今回はコーチングで私も使う質問をリストにまとめてみましたので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに質問リストを今すぐ見たい方は、以下をクリックしてください。
ただ、すぐにダウンロードして使うだけでなく、コーチングにおける質問の本質や質問の仕方を学ぶと、リピーターが続出するコーチになれるので、この記事を順番に読んでいくことをおすすめします。
目次
コーチングのスキル:質問とは何か
一般的な会話の質問とコーチングの質問は質が全く異なります。
- 一般的な会話の質問:自分が望む答えを相手から引き出す
- コーチングの質問:相手が望む答えを引き出す
少し難しい話なので、簡単な事例を確認してみましょう。
お客様「恋愛って難しいですよね」
あるお客様がこのような言葉をお友達とコーチそれぞれに投げかけたとすると、以下のような質問が両者から返ってきます。
お友達「そうそう!ホント難しい。そういえば『最近の恋愛はどんな感じなの?』」
コーチ「わかります。とすると、『今恋愛で悩んでいるのですか?』」
このように、お友達は「自分が聞きたい内容」を質問しています。
しかし、コーチはお客様から「言葉が発せられた背景」を考えながら質問しています。
コーチングのセッションでは、この質問を通じてお客様が本当に伝えたいことを引き出していきます。
質問スキルを発揮するためには、いくつかのポイントがあるので次の項目でお伝えしますね。
コーチング中の質問の仕方
コーチング中の質問の仕方にはいくつかのポイントがあります。
- 傾聴を使って質問するタイミングをはかる
- 話を遮ってでもお客様のためになる質問をする
- お客様に気づきを与えるために直感を信じて口にする
それぞれ解説していきます。
傾聴を使って質問するタイミングをはかる
質問するときの難しいポイントは、いつ質問を行うかではありませんか?
お客様に先んじて質問するのは失礼にあたらないかと、不安になってしまうのもわかります。
そこで利用するのが、コーチングの基本的なスキルである傾聴です。
傾聴には3種類あり、その中でも全方位的傾聴を使って質問するタイミングを考えます。
全方位的傾聴はお客様だけでなく、周りの環境や時間の流れにまで意識を向ける傾聴です。
これを使って、以下のタイミングで質問してみましょう。
- お客様が話し終わって一息ついたとき
- 思い悩んでいるとき
- 目をそらしたり、うつむきがちになっているとき
このようなタイミングで質問を行うとスムーズに質問ができますよ。
話を遮ってでもお客様のためになる質問をする
コーチはお客様にコーチングセッションを通して、目標達成に向けた気づきを手に入れてもらわなければなりません。
そのため、ときにはお客様の話を中断して質問を投げかけることも必要です。
もし仮に日常会話を続けるお客様に適切な質問ができなければ、その後の継続にはつながらないでしょう。
そこで、お客様が本題から外れた話をしているなと感じたら次の質問をしてみましょう。
- その話の要点はなんでしょうか?
- つまり〇〇ということではないでしょうか?
- それは何が問題なのですか?
このように話の核心をつく質問をして、その後お客様から出てくる言葉を聞き、「何がこの状況を変えますか?」とさらに質問すると問題解決につながります。
状況によって質問は変わるので、あくまで一例です。
どうしても中断が苦手であれば、「ちょっと伺いたいのですが」と枕詞を使ってみてもいいですね。
お客様に気づきを与えるために直感を信じて口にする
状況別に話を遮りながら質問するためには、話の間に直感で質問を投げかける必要があります。
直感で質問を投げかけると、話を中断することと同じで失礼ではないかと思われるかも知れません。
しかし、この直感で質問するときにはコーチはちょっと間の抜けた人間になるので、逆に親近感を持ってもらえます。
というのも、
「先ほどの話を聞いていて思ったのですが、間違っていたらごめんなさい」と、いつもの完璧そうなコーチが申し訳無さそうに質問すれば、「ああこの人も思ったことを話すことがあるんだな」とお客様が思ってくれることもあるからです。
この親近感や安心感が後に信頼関係へつながります。
直感は実践の中で磨かれる
それに、その瞬間に感じたお客様の聞いてほしいことを質問すると、たいていその予感は当たっているものです。
ただ、この直感の精度をあげるには、実践経験が必要です。
私(田中直子)の場合、セッションの回数を重ねるごとに直感が当たりやすくなってきました。
もちろん次にお伝えする質問集を覚えるのも大事ですが、直感をはじめとするコーチングセッションで使えるテクニックは、実践の中で磨かれていくものだと覚えておいてください。
今すぐ使えるコーチングの質問リスト
それでは今すぐ使えるコーチングの質問を伝えていきます。
これらの質問の多くは、『コーチング・バイブル第4版』から引用しています。
この本の紹介は以下のページでしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コーチングセッションをはじめるときの質問リスト
コーチングセッションをはじめるスタートの挨拶的な質問です。
メインの目標はお客様の最近の出来事を知り、変化があるかどうかを確認していくことです。
具体的な質問リストは以下のとおりです。
- 前回話して以来、どんなことが起こりましたか?
- 今日は何について話しますか?
- 先週はどうでしたか?
- 何か新しいことはありましたか?
また、コーチングセッションがはじめてのお客様には受けて頂いたお礼とともに、「今回のコーチングではどんなお話をされたいですか?」と聞くとスムーズにセッションがはじまるでしょう。
目標設定で利用する質問リスト
お客様が最初のコーチングセッションを受けるときに、ほとんどのコーチは目標設定のセッションからスタートします。
目標設定のセッションでは、テーマ・目的・目標の順番に質問を投げかけながら、お客様の本当に取り組みたい目標を数値化します。
テーマ、目的、目標設定については次の2つの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、先ほど紹介した順番のとおりに質問を紹介します。
コーチングのテーマを見つける質問リスト
コーチングのテーマを見つけるときには、大まかなジャンルを決めた後に、お客様の生き方や価値観を元にテーマを絞り込んでいきます。
ですから、まずはお客様を知るための質問を投げかけましょう。
- あなたは人生の何を変えたいですか?
- 人との関係において何を重要視していますか?
- どんな時に行き詰まりを感じますか?
- あなたに活力を与えるものはなんですか?
コーチングの目的を見つける質問リスト
コーチングの目的(ゴール)をどこにするかは、まずブレインストーミング(ブレスト)してたくさんの課題を洗い出し、次に絞り込みをしていきます。
そして最後に目的達成を喜ぶ姿をイメージする質問を投げかけて、本当に取り組みたい目的を決めていきましょう。
これらをまとめると、質問する順番は次のとおりです。
- 広げる質問
- 絞る質問
- 目的達成を喜ぶ姿をイメージする質問
それぞれの質問をお伝えしますね。
広げる質問
広げる質問はお客様が考えている課題を全て出し切ってもらうためにするものです。
考えを出すことに悩んでいるときに投げかけるといいでしょう。
- 他にどんな選択肢がありますか?
- 考えられる解決策はどんなものですか?
- 思いっきり大胆になれたらどうしますか?
絞る質問
広げる質問で多くの課題が出せたら次に絞る質問を行っていきます。
具体例は以下のとおりです。
- その中でもとくに取り組みたいものはなんですか?
- あなたが一番本気で取り組みたいものはどれですか?
- 強いてあげるならどれですか?
目的達成を喜ぶ姿をイメージする質問
目的(ゴール)を達成する姿をイメージしたときに、どのような結果があるのかお客様に考えてもらう質問もあわせて行っていきましょう。
すると、本当に取り組みたい課題が見えてきます。
- これを達成すると何が可能ですか?
- あなたの望みが叶ったとしたらどうですか?
- これの何があなたをワクワクさせますか?
数値目標を立てる質問リスト
目標設定するセッションの最後は数値目標を決めます。
そのときに投げかける質問は5W1Hを意識しましょう。
- いつまでにそれをしたいですか?
- 具体的に何をしますか?
- それはどのくらいの量ですか?
- どういうきっかけでするのですか?
- どこでしますか?
- 誰のためにしたいのですか?
視点を転換する質問リスト
目標設定において、各場面でブレストを行うときにお客様が答えづらくなってしまうこともあります。
そんなときは、視点を転換して制限を外す質問をなげかけてください。
- もしも何でもできるとしたら、どうしたいですか?
- もしもこのことについてどんな選択でもできるとしたら、どうしますか?
この場面では後ほど紹介するスライドアウト(視点の転換)を使った質問が有効です。
行動を促す質問リスト
目標設定を終えた後、結果を出すためにはお客様の行動を促さなければなりません。
そのときに投げかける質問は以下のとおりです。
- どんな行動をしますか?その後はどうしますか?
- 何をしますか?いつそれをしますか?
- まず何をしますか?
これらの質問を覚えて、実践で鍛えた直感とともにお客様に適切な質問をしていきましょう。
次の項目ではこれらの質問の種類を簡単にまとめていきます。
コーチングで使う質問の種類
コーチングで使う質問の種類をまとめると次のとおりです。
- オープン・クローズドクエスチョン
- スライドアウト
- チャンクアップ・ダウン
質問の分類を覚えておくことで、前の項目で紹介したシチュエーション以外のときも利用できるようになります。
さっそく解説しますね。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いは次のとおりです。
- オープン:Yes or No以外で答える質問
- クローズド:Yes or Noで答える質問
オープンクエスチョンは、テーマやゴール、ターゲットをブレストするときや絞り込む質問をするときに使います。
一方、クローズドクエスチョンは、お客様から詰問と思われる可能性もあるのであまり使わないようにしましょう。
より多くの考えを引き出す質問(スライドアウト)
お客様が答えにくい状態に陥っている場合に、より多くの考えを引き出す質問をコーチは投げかけます。
前の項目でお伝えした、「もしも〇〇なら〜」という構文を使えば簡単に視点の転換を起こせます。
お客様は考え込みすぎて、自分自身の考えを縛ってしまっている可能性があります。
そんなときは、スライドアウトを使って制限を外してあげましょう。
答えをまとめたりほぐしたりする質問(チャンクアップ・ダウン)
最後は答えを具体化する、もしくは抽象化する質問です。
具体化する質問(チャンクダウン)は、5W1H型で「いつ・だれが・どこで」というように数値を決めるとき有効な質問なので、数値目標を立てるときにどんどん使ってください。
一方、抽象化する質問(チャンクアップ)は、お客様が話している内容をまとめるときに有効です。
- 要するにどういうことですか?
- つまり〇〇ということですか?
これらのように考えを一旦かたまりにしてあげることで、お客様は自分自身が言いたいことの要点を知れるでしょう。
とくに各段階におけるブレストの最初は、考えがまとまっていないことが多いので、この質問を使って方向性を決めるとセッションがスムーズに進みます。
コーチングで質問するときの注意点
ここまでさまざまな質問やその種類を見てきましたが、質問するときには次のようないくつかの注意点があります。
- お客様が求める質問をして共感を得る
- 目的を達成して満足してもらうために質問する
- 直感を重視してお客様との信頼関係を結ぶ
それぞれ解説していきますね。
お客様が求める質問をして共感を得る
冒頭部分でもお話ししましたが、コーチングの質問は全てお客様ありきで考えなければなりません。
そのときに必要なのが、全方位的傾聴でしたね。
お客様が今どんな質問をされたいのかを、空間全てから認識して質問することが大切です。
すると、「このコーチは本当に私のことをわかってくれているんだ」とお客様からの共感を得られます。
目的を達成して満足してもらうために質問する
コーチはテーマや目的から課題(数値目標)を設定し、行動を促す質問をしてお客様自身を変えていく必要があります。
なぜなら、お客様がコーチングを依頼する心の内には、悩みを解決したいという思いがあるからです。
仮にセッションが悩みを打ち明けるだけで終わっていたなら、コーチングではなくお悩み相談室になりますよね。
ですから、悩みをお客様自身が解決できるように、コーチは質問を駆使してお客様の行動を変えてください。
直感を重視してお客様との信頼関係を結ぶ
目標設定から実際の行動に移るまでに必要なのは、コーチとお客様の信頼関係です。
信頼関係を結ぶには、コーチが直感を信じて質問し親近感を感じてもらうのが重要でした。
この直感を信じる質問は、実践を通してしか手に入らないものなので、質問リストを読み込むよりもセッションを繰り返した方が効率的です。
では、この実践経験を積むコーチングセッションに、どのように取り組んでいくのか次の項目でお伝えします。
コーチングの質問リストを使ってセッションスタート
今回紹介したコーチングの質問リストを使用してセッションをスタートしなければ、直感は身につきません。
とすると、有料のコーチングセッションをスタートする必要がありますね。
もちろん、お友達や知り合いのコーチに依頼するのもいいですが、全く見知らぬお客様とのセッションでないと、傾聴や直感の訓練とはいえません。
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